歯科インプラントや人工関節のような金属や無機材料表面に、細胞成長促進能や分化誘導能のような生物学的活性を付与することは臨床応用のための機能性材料を開発するうえで重要である。しかしながら、金属や無機材料の上へのタンパク質の固定化法は限られていた。そこで、本研究では、貽貝を模倣して、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンを含む遺伝子組み換えインシュリン様成長因子-1を組み換えDNA工学とチロシナーゼ修飾を組み合わせて設計し、チタン結合性を付与することを期待した。このように調製した成長因子は期待通りチタンに高い親和性を持ち、NIH3T3細胞の成長を顕著に高めることがわかった。
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