申請者は、核酸アプタマーの新規取得法として、次世代シークエンサーを用いたOne Step Selection法の開発を行っている。本申請では、この手法を用いたDNA/RNAキメラ型核酸アプタマーの基盤技術の開発研究を提案した。先ず、モデル系を用いて、DNA/RNAキメラ型核酸ライブラリーの設計に関する検討を行った。核酸ライブラリーとして、 次の4つの17塩基の領域をランダム化したライブラリーを構築した。1)1塩基ごとにRNAを挿入するライブラリー、2)2塩基ごとにRNAを挿入するライブラリー、3)3塩基ごとにRNAを挿入するライブラリー、4)CUのみをRNAとするライブラリー。これらのライブラリー を用いて、ストレプトアビジンに対して、One Step Selection法によりセレクションを行い濃縮した配列を調べた。複数の濃縮してい ると考えられた配列を化学合成し、そのストレプトアビジンに対する結合能を調べたが、強い結合能を示す候補アプタマーは得られなかった。 そこで次年度においては、ライブラリーをストレプトアビジンのDNAアプタマーの骨格に限定し、RNAを部分的にいれたライブラリーを調整し、アプタマーの取得を試みた。セレクションの結果、明らかな濃縮した配列を得ることができたが、DNAアプタマーに比べて、親和性は高くなく、DNA/RNAキメラ型核酸アプタマーのコンセプトを証明するには至らなかった。
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