研究課題/領域番号 |
16K12911
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
原田 仁 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (70771517)
|
研究分担者 |
宮尾 祐介 国立情報学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (00343096)
金治 新悟 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10637052)
掛地 吉弘 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80284488)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | コンピュータ外科学 / 腹腔鏡手術 / 画像認識 / 手術記録自動作成 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,手術動画を自動で文章化するプログラムの開発,および映像データと言語データが相互に検索可能な新しい手術記録データベースの構築である。手術動画内の解剖,器具,動作,事象を言語で意味付けし,機械学習によりパターン化させることで,手術動画から手術記録を自動作成するプログラムを開発する。また,映像と言語が互いに関連付けられた手術記録データベースを構築することで,膨大な手術データが客観性の高い均質化された手術記録として保存管理し,データベースから必要な映像データを言語で検索することを可能とする。 具体的には,手術映像から選別した特定の場面を用いて,解剖,手術器具,動作,事象を認識しテキスト化する手術認識アルゴリズムを作成し,手術認識アルゴリズムを基に手術動画を自動で文章化するプログラムを開発するとともに,映像とテキストをリンクさせ相互に検索可能な新しい手術記録データベースの構築を目指す。 手術認識アルゴリズムの作成においては,解析用コンピューターにインストールした専用ツールを用いて,手術動画内に登場する臓器・血管などの解剖,鉗子類などの手術器具,把持・切離などの手術操作,出血・血管の拍動などの体腔内の事象などに対し,名称や動作の属性を付与する。これにより言語で意味付けされた動画を保存,蓄積し,映像からテキストデータへの変換を,機械学習によりパターン化させる。機械学習のデータとしては,手術手技として規則性があることが望ましいと考えられる。そのため,手技が定型化された約100症例の腹腔鏡下胃切除の動画をサンプルデータとして使用する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手術映像から解剖・手術器具・動作・事象を認識する手術認識アルゴリズムを作成するため,画像認識手法の確立を行った。分析用の研究試料として収集した,手技の定型化された腹腔鏡下胃切除動画のうち,まず少ない症例数の限られた場面をサンプルデータとして手作業で臓器のセグメンテーション(クラス分け)を行った。鉗子と膵臓の正解画像を300フレーム分用意し,機械学習によりパターン化させることで,新規画像から鉗子と膵臓の自動認識を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続きサンプルデータを増加し手術認識アルゴリズムの精度を向上させると共に,このアルゴリズムを基に,手術動画を自動テキスト化する手術記録作成プログラムを開発する。映像をテキスト化したものが自動で手術記録の文章となるようにプログラムを調整する。具体的には,今年度同様に動画の他の部分に対しても意味付けの作業を行い,手術記録の自動作成を目標に機械学習によるパターン化を繰り返す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
画像認識に必要なソフトについて共同研究機関の所持する既存のものを一部使用したため、その分必要な経費が減額したため。
|
次年度使用額の使用計画 |
ハードディスクを含めた記録媒体などの追加購入に充てる予定とする。
|