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2018 年度 実施状況報告書

メカニカルストレスによる血液凝固反応抑制メカニズムの粘弾性学的定量評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K12923
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

丸山 修  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究部門付 (30358064)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードメカニカルストレス / 血液 / 血栓 / 血液凝固因子 / せん断速度
研究実績の概要

平成28年度は、せん断応力に対する「ヒト血液を使用した血液凝固」に関する因子についての研究、平成29年度は、せん断応力に対する「ヒト血液を使用したフォンビル・ブランド因子」に関する因子についての研究に従事した。その結果、血液凝固第V因子が、せん断応力に対してメカノケミカルに反応して反応活性を下げ、結果として血液凝固反応速度をさせることで、血栓形成を防ぐ働きをしていることがわかった。一方、せん断速度がさらに大きくなると、血液凝固第V因子の活性低下に加えて、フォンビル・ブランド因子が同じくメカノケミカルに分解し、血栓形成抑制過剰となり、出血現象を呈する状態になることがわかった。この結果は、ヒト血液を使用したことにより、臨床検査試薬を使用したために、血栓の形成過程を正確に分析することに成功した。しかしながら、循環器系医療機器の開発時における動物実験では、ウシ血やブタ血を使用することが一般的であり、せん断応力に対する血栓形成挙動が、ヒト血液と同じであるかを比較することが重要である。
最終年度である平成30年度は、この比較実験を実施する予定であった。しかしながら、本年度5月に、所属機関内の異動により、研究部署から離れて事務職を主務とする業務を命ぜられた。予期できない異動であった。元の研究部署に兼務がかかっていたものの、研究業務へのエフォートは激減し、計画通りに研究を進めることができなかった。しかしながら、遅々としてではあるが、ヒト血液を使用した、血栓形成を抑制する血液凝固第V因子およびフォンビル・ブランド因子の定量評価法の一部を構築できた。本年度までに得られた成果をもとに、論文投稿の準備はできつつあるが、残る実験計画を遂行するためには、さらなる緻密な計画を立てて実施することが重要である。そこで、本来、平成30年度で終了であった本研究計画を延長し、令和元年度も引き続き、実験を実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

上記の通り、平成30年度は、所属期間内の異動により、昨年度までの研究部署から離れて事務職を主務とする業務となったため、研究計画に記載の実験スケジュールで研究を進めることができなかった。また、事務職勤務は令和元年度も継続となり、引き続き研究業務へのエフォートは低い状態ではあるが、時間調整を行いつつ、研究計画を遂行する予定である。昨年度まではおおむね計画通りに実験を進めることができており、計画から遅れている実験を実施していきたい。

今後の研究の推進方策

令和元年度も事業期間延長承認申請を行い、引き続き研究することとなった。本来平成30年度に実施する予定であった、ヒト血以外のウシおよびブタ血を使用したせん断応力に基づく血栓形成特性の定量評価を完成させ、論文発表の形で成果を発出していきたい。

次年度使用額が生じた理由

異動により、本年度内の実験が計画通りに進まなかったために、次年度研究予算とした。

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公開日: 2019-12-27  

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