研究課題/領域番号 |
16K12925
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上月 正博 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70234698)
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研究分担者 |
伊藤 修 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (00361072)
三浦 美佐 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (30612014)
森 信芳 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (50463790)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 腎臓リハビリテーション / 慢性腎臓病 / 物理療法 / 運動療法 / 進行防止 |
研究実績の概要 |
平成28年は、末期腎不全患者30名(男性60%,70.6±10.6歳,diabetes 67%)を自転車運動群10名、下肢電器刺激群10名、対照群10名に無作為に振り分け、HD中に週2回の自転車運動または下肢低周波電気刺激療法(イトー ESPURGE)による下肢電気刺激(両側大腿四頭筋と下腿三頭筋への電極貼付)を12週間継続し,対照群には通常のHD治療を行った。12週間の介入前後の各種生化学検査、透析効率、透析日の早朝血圧、身体運動機能の身体機能に与える影響を比較検討した。その結果、介入12週後に自転車運動群は、早朝血圧、透析効率、LDL-C、下肢筋力、運動耐容能に変化が認められた。電気刺激群では各種生化学検査値が変化し、下肢筋力は維持されていた。対照群に変化は認められなかった。 次に、自宅で自主トレとして、非監視下で電機刺激を実施できるかどうか可能性を検討した。対象は、本研究について説明に対し書面で同意が得られた、72歳の膜性腎症、男性、stage3のCKD患者、糖尿病を合併していた。本対象は、介入前にスクワットや散歩等の定期的な運動は行っていたが、握力および下肢筋力は同年代平均の50%以下であり、適正な運動はできていなかった。自宅で自主トレとして、両側下肢筋に低周波電気刺激を自宅で毎日60分間、12週間連続して実施したところ(刺激の強さは疼痛閾値より下に設定した)、介入前後で体組成は変わらずに、各種生化学検査、血管内皮機能、運動耐容能、筋力、心臓自律神経機能、身体活動量測定に変化が生じた。これらの結果から、慢性腎臓病のどの段階にも有効であるが、それぞれ異なる影響を与えることが示唆された。特に、保存期CKDに対しての下肢微弱電気刺激は、透析導入防止・腎臓機能障害進行防止に影響があることが示唆された。次年度以降は、さらに対象者を増やし検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りに進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は対象者数を増やし、さらに検討を重ねていきたい。
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