研究課題/領域番号 |
16K12925
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上月 正博 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70234698)
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研究分担者 |
伊藤 修 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00361072)
三浦 美佐 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (30612014)
森 信芳 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50463790)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 腎臓リハビリテーション / 診療ガイドライン策定 / エビデンスレベル / 出版予定 / 運動療法の有効性 / 保存期CKD / 有害事象 / 診療報酬付与 |
研究実績の概要 |
本年度は腎臓リハビリテーションのエビデンス確立のため,1. 腎臓リハビリテーションガイドライン策定実現と2.保存期在宅CKD患者における運動療法が身体運動機能と蛋白尿に与える影響を検討した.1. 2016 年度から進行した糖尿病性腎症に対する運動指導の評価として「糖尿病透析予防指導管理料 腎不全期患者指導加算」が診療報酬として新たに認められた.海外から出されたいくつかのCKD に対するガイドラインでは,透析患者や保存的CKD 患者における運動療法の定期的施行が推奨されているが,そのエビデンスレベルは高いものではない.このような流れのなかで,医療としての腎臓リハビリテーションの位置づけを明確にし,患者予後,QOL,満足度を最大化する医療を提供するための診療ガイドラインの作成をし,南江堂から出版予定になるに至った.ガイドラインの目的は腎臓リハビリテーション医療の質,安全性と有効性,およびその提供を最適化することとし,対象は,糸球体腎炎・ネフローゼ症候群者,保存期CKD 患者,血液透析患者,腎移植患者とした.特に運動療法は,包括的なプログラムの根幹となるものであり,実施するにあたり具体的なマニュアルの作成が強く求められてきた.また,腎臓リハビリテーションのプログラムは,患者の医学的,栄養学的,心理社会学的,教育的,職業上のすべての側面を評価することから始まることから,各種評価の方法や標準的な運動療法プロトコールについて加え,病期別の対応と留意点等についても紹介した.さらには,英語版を海外の医学雑誌に投稿する予定である.2.糖尿病を合併する膜性腎症CKDstageⅢb患者に対し,3か月間の運動療法を行った結果,運動期間中は蛋白尿の減少を認めたが,運動終了後に蛋白尿が増悪した.これらのことから,保存期CKDへの運動療法は有害事象の発生無しに身体機能を向上させる可能性が示唆された.
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