体表に電極を設置して交流電気インピーダンスを測定すると疾病等による骨格筋の変化が非侵襲的に検出できる、という多くの実験研究が報告されてきた。しかし、理論的基盤が脆弱で、計測結果の理論解析ができなかった。骨格筋は細長い細胞の束であるという組織学的特徴をもつ。このため、細胞長軸と平行方向の電気的性質は電極の位置によって変化し組織固有のパラメータで表すことができない。よって、従来の技法で骨格筋のインピーダンスを計算することは不合理である。本研究で開発した計算技法によって、骨格筋の組織学的特徴を取り入れ、かつ大きな筋モデルでも小さい計算負荷で電気インピーダンスの計算が実行できるようになった。
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