研究課題
本研究では超音波照射や機能性栄養素による筋肥大や萎縮抑制を促す作用を検証することを目的とした。C2C12筋芽細胞を筋管細胞に分化させて実験を実施した。リポポリサッカライド(LPS)誘導性の筋萎縮モデルに対して、パルス超音波照射はインテグリンを介して、p38MAPKリン酸化を抑制し、Atrogin-1やTNFaの発現を減少させた。また、筋芽細胞C2C12を分化させた筋管細胞にLPS添加をさせた萎縮モデルを用いて、パルス超音波刺激の効果を検証した。超音波照射群では筋管細胞径、筋原線維タンパク質量、ミオシン重鎖タンパク質量の減少が減衰された。また、超音波照射ではインテグリン/focal adhesion kinase (FAK)のリン酸化の増加が観察され、P38MAPKリン酸化が減少し、TNFaも低下した。さらに骨格筋特有のユビキチンリガーゼであるAtrogin-1の増加を減衰させた。一方、超音波照射はIRAK4のリン酸化に影響を与えなかった。これらの研究結果より超音波照射はP38MAPKの活性化を抑制することで、骨格筋萎縮を予防することが可能であると考えられた。超音波照射はカヘキシー治療の補助手段として用いることが可能であると結論づけられた。さらにロイシンによる筋肥大の促進効果や超音波刺激による促進効果を検証したが、肥大促進効果は観察されなかった。これらの結果から超音波照射はカヘキシーによる萎縮抑制には有効であるが、正常筋を筋肥大させる様な効果は期待できないことが明確になった。一方、超音波のもつ周波数、パルス頻度等の特性を変化させることで、有効な刺激が可能とも考えられ、今後さらなる検証も必要と思われる。
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