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2018 年度 実績報告書

音の移動感を利用した 視覚障がい者のための移動支援システム「音響矢印」の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K12958
研究機関神戸大学

研究代表者

森本 政之  神戸大学, 工学研究科, 名誉教授 (10110800)

研究分担者 佐藤 洋  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究部門長 (10260423)
佐藤 逸人  神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30346233)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードユニバーサルデザイン / 音案内 / 視覚障がい者 / 音の移動感
研究実績の概要

昨年度までと同様に,聴取者の正面方向を0°として左右25°に配置した2つのスピーカから音を交互に呈示し,音像の移動方向を回答させる実験を行った。聴取者が音の移動感を知覚する際には,ある2つの音を1つのまとまり(ゲシュタルト)として群化し,時間的な順序が先の音の到来方向から後の音の到来方向への移動感を知覚すると考えられる。ゲシュタルト知覚の法則としてプレグナンツの法則が知られており,「近接の要因」,「類同の要因」,「よい連続の要因」といった要因がある。
まず,「よい連続の要因」を考慮した刺激として,周波数が連続的に滑らかに変化するスイープ音を2つに分割し,前半と後半をそれぞれ左右のスピーカから交互に呈示する実験を行った。その結果,聴取者の回答は「左から右」「右から左」の両者が確認された。これは「よい連続の要因」による群化よりも,最初に呈示された音の対を群化することにより得られた音の移動感がそのまま持続するよう群化するという傾向が強いためであった。次に,「類同の要因」を考慮した刺激として,音圧レベルを50dBおよび60dBとした2種類のトーンバーストを準備し,これらを50dB-50dB-60dB-60dBのように同じ音圧レベルが2回ずつ続くようにしたうえで,左右のスピーカから交互に呈示する実験を行った。その結果,「よい連続の要因」の実験よりも聴取者の回答が一方向に偏ったが,最初に呈示された音の対を群化した回答のみを行う聴取者も確認された。最後に,初年度の結果から影響が強いと考えられた「近接の要因」と,本年度において比較的良い結果が得られた「類同の要因」の両者を考慮した刺激を用いた実験を行った。その結果,聴取者によらず特定の方向に回答が定まった。
以上の結果より,プレグナンツの法則のうち2つを考慮すれば,音の移動感を利用した音案内を実用化可能であることを示した。

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公開日: 2019-12-27  

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