研究課題/領域番号 |
16K12962
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
渡辺 一志 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (50167160)
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研究分担者 |
野村 恭代 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (10461188)
ThiThi Zin 宮崎大学, 工学部, 教授 (30536959)
辻岡 哲夫 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40326252)
森島 佑 鈴鹿工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助手 (40734132)
高井 秀明 日本体育大学, 体育学部, 准教授 (50586146)
岡 育生 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80160646)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アーチェリー教室 / 視覚障がい者 / 健康・体力 / 得点通知システム / ソーシャル・キャピタル / 福祉・心理変容 |
研究実績の概要 |
地域住民が視覚障がい者とともにアーチェリーを学ぶスポーツ教室を10回開催した。今年度は、アーチェリーの基本的な知識を学びシューティングの基礎技術習得を中心に教室を実施した。同時に視覚障がい者のための得点通知システムを画像解析による方法とマイクロホンを使用した衝撃音から解析する方法について開発し、一定の成果を得た。また、初めてアーチェリーを体験する人が集まり、健常者と視覚障がい者がアーチェリー教室でともに学ぶことによって、一般参加者のコミュニティにおける障がい者に対する意識・体力の変容およびスポーツによる視覚障がい者の健康・体力・心理的側面の変化を検討した。 アーチェリーのパフォーマンスについては、10メートルの射距離における12本(120点)の評価で一般参加者(8名)で平均76.6%、視覚障がい者(6名)で平均61.3%(経験者による後方からの方向助言によって)を示し基本的な技術はある程度身についたことが確認できた。 健康・体力については、筋量、筋力(アーチェリーMAX)、背筋力に増加傾向が認められたが、有意な変化は認められず顕著な効果はみとめられなっかった。 コミュニケーション・スキル尺度の「自己統制」「自己主張」「他者受容」「関係調整」の因子については,アーチェリー教室への継続的な参加に伴う心理的変化について検討した。コミュニケーション・スキル尺度の「自己統制」「自己主張」「他者受容」「関係調整」は,前期,中期,後期と継続的なアーチェリー教室への参加に伴って高まる可能性を示した。 一般参加者の障がい者に対する意識の変容については、障害困難イメージ尺度については、前・後で4ポイントの差が認められ、5%水準で優位な差が認められた。また、不平等認知尺度、障害親近性尺度については2.6ポイント、1.6ポイントの変化がみられたが、有意な差は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域住民(8名)と視覚障がい者(6名)とともにアーチェリーを学ぶスポーツ教室を10回開催することができた。視覚障がい者のための得点通知システムを画像解析による方法とマイクロホンを使用した衝撃音から解析方法について開発し、一定の成果を得ることができた。また、一般参加者の障がい者に対する意識の変容、スポーツによる視覚障がい者の健康・体力・心理的側面から検討した。
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今後の研究の推進方策 |
継続してアーチェリー教室を開催し、昨年度、静止画像から開発した得点通知システムを動画から可能にできるか検討する。ある程度のアーチェリーの体力、技術が備わったので、今年度、照準システムを開発する。合わせて、ソーシャル・キャピタル構築の観点から、アンケート調査による一般参加者の意識の変容について継続して検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の計画を遂行したが、3名の研究分担者に余剰が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の学会発表の研究旅費およびアンケート調査費に充当する。
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