研究課題
経頭蓋磁気刺激(TMS)とマイクロコンピュータ(Arduino),位置センサー(フォトリフレクタ)を用いた閉ループ型非侵襲脳刺激システムを開発し,ピアノ演奏中の大脳皮質運動野の皮質興奮性の時系列変化(ダイナミクス)を評価することに成功した.当該手法を用いた成果は,国際学会Neuroscience and Musicのシンポジウムにおいて発表した後,国際学術誌Annals of the New York Academy of Science誌に論文が掲載された.当該システムを用いて,ピアニスト10名と非音楽家10名の安静中および演奏中の運動野の興奮性を,ピアノ音の聴取時とノイズ音の聴取時に評価した.その結果,ピアノ音の聴取による運動野の皮質興奮性の亢進が,安静時および演奏時の当該音の生成の100ミリ秒前にのみ起こることが,ピアニストでのみ観察され,非音楽家ではピアノ音聴取による特異的な運動野の興奮性の亢進は認められなかった.以上のことから,演奏中の聴覚情報を運動情報に統合する脳神経ネットワークの機能は,長期音楽訓練により可塑的に変化することが示唆された.成果の一部は,国際学会Neuroscience and Musicにてポスター発表を行った後,国際学術誌Neuroscience Letters誌に論文が掲載され,さらに演奏中の結果をまとめた論文は,現在論文執筆中であり,投稿の最終段階である.
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Annals of the New York Academy of Sciences
巻: (in press) ページ: (in press)
10.1111/nyas.13619
Neuroscience Letters
巻: 650 ページ: 97-102
10.1016/j.neulet.2017.04.033
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