研究課題/領域番号 |
16K12978
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
宍戸 隆之 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (40331962)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 運動 / 計算能力 / 小学生 |
研究実績の概要 |
大阪府内にある小学校の協力を得て,各学校に在籍する4年生児童を対象として,朝学習時間(あるいは休み時間)に学校行事で行われているマラソン練習やなわとび習慣で行った運動中の心拍数を測定した。運動時間は,学校により異なるが,5分~10 分程度で休み時間内に行える程度であった。その結果,平均約160bpmという結果を得ることができ,日常的な学校行事で実施されている身体活動量はとても高いレベルであり,このような機会が多くなれば,児童の体力を向上させるのに効果的である可能性が示唆された。また,これらの運動が実施された日(運動日)の運動直後とこれらの活動が実施されなかった日(安静日)の直後授業はじめに,算数の計算課題に取り組ませた。「なるべく速く正確に解く」ことを意識させながら,各学年の教育課程に沿った計算ドリルの問題(さくらんぼ計算および小数の引き算)を課題として実施した。そして,計算課題の正答率と計算時間を測定した。その結果,運動日と安静日共に,継続していくことで計算時間が短縮される学習効果が認められたが,運動日と安静日を比較すると,回数を重ねた学習効果で,運動日の計算時間の方が短い結果が得られ,学校行事で行われている運動が,算数の計算能力に関連している可能性があることが認められた。この結果から,小学校で実施されているマラソン練習やなわとび練習などの学校行事は,体力を向上させるだけでなく,計算能力にも良い影響を与えている可能性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では,平成28年度は,心拍数測定機器の購入・機器の動作確認後,倫理委員会への申請,インフォームドコンセントの実施,被験者が日常的に心拍数を確認する習慣化,そして,算数の計算課題の作成と運動プログラムの作成による予備実験を計画していた。しかしながら,平成28年度中に,データの収集・分析を実施することができたので,進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度,計画以上に進展し,データ収集を行うことができたが,今年度は,被験者となる小学生の対象を拡大して,さらに多くのデータを収集することにより,より信憑性の高い結果になるように進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集で,被験者の小学生には,謝金無で協力を得ることができたため,出費を抑えることができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集を手伝って協力してくれる学生に対しての謝金として使用予定である。
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