研究課題/領域番号 |
16K13007
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
間野 義之 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (90350438)
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研究分担者 |
舟橋 弘晃 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (10758551)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スポーツ / チーム・アイデンティフィケーション / チーム・ロイヤリティ / 地域愛着 |
研究実績の概要 |
本研究では、地域を拠点とするプロスポーツチームが、地域住民の地域愛着度を高めるプロセスを明らかにすることを目的としている。 28年度に実施した2回のインターネット調査に続き、29年度は3回目のインターネット調査を5月に行い、より確度の高い分析を行った。計3回の対応あるサンプルを「チーム・ロイヤリティ上昇群」(n=30)と「非上昇群」(n=100)に区分し、両群の地域愛着度の変化を比較した(二元配置分散分析)。その結果、「上昇群」は「非上昇群」よりも有意に地域愛着度を上昇させたことが明らかになった。28年度の計2回のサンプルのみならず、計3回のサンプルでも同様の結果を得たことで、チーム・ロイヤリティの上昇と地域愛着度の上昇の間には因果関係が存在することが示唆された。 29年度5月にはインターネット調査回答者の中から12名にインタビュー調査を実施した。チーム・ロイヤリティと地域愛着度をともに上昇させた被験者の発話では、FC今治に関わることで人間関係に肯定的な変化が起こり、地域社会との結びつきが強まることで、地域(今治)への愛着が高まるとの仮説が想起された。計3回の調査では、人間関係の変化の実感や、地域活動への参加経験・参加意向の設問も設けており、同様に両群の比較の結果、「上昇群」は地域活動への参加意向が「非上昇群」よりも有意に高くなっていることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度は第3回目のインターネット調査およびインタビュー調査を実施する予定とした。当年度に予定通り両調査を実施に、分析に足るデータを収集したことから、本研究の全体の進行状況に基づいて順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
30年度は、研究計画に基づき、28-29年度に収集したデータをもとに、チーム・ロイヤリティと地域愛着度の低下に関する分析と考察を行うこととする。「非上昇群」の地域愛着度の数値は、計3回のインターネット調査の結果、低下している現象が認められる。地域愛着度は、例えばチーム・ロイヤリティといった外部刺激が何も生じない場合には自然な低下が認められるものか、その要因について分析と考察を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査の対象人数と調査日程の調整の結果、調査地滞在日数が当初見込みより減少により滞在旅費・移動費で差分が生じたため。
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