研究課題/領域番号 |
16K13016
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
荻田 太 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (50224134)
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研究分担者 |
與谷 謙吾 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 講師 (10581142)
萬久 博敏 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 准教授 (50239167)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高強度間欠的運動トレーニング / 有酸素性エネルギー / 無酸素性エネルギー / パフォーマンス |
研究実績の概要 |
【目的】28年度の研究目的は、さまざまな距離種目の有酸素性・無酸素性エネルギー供給動態に合致させた最適なトレーニング条件を見出すために、異なる高強度間欠的運動プロトコールにおける代謝特性について定量することであった。 【方法】被検者は、体育学専攻の男子大学生17名(21±1歳)であった。被検者は、30秒程度で疲労困憊に至る強度で10秒の運動を10秒の休息を挟んで反復する運動(10-10)、および40秒程度で疲労困憊に至る強度で15秒の運動を10秒の休息を挟んで反復する運動(15-10)を、疲労困憊まで実施した。本実験では、それぞれの強度における持続的運動時、間欠的運動時の有酸素性・無酸素性エネルギー供給量を定量し、比較した。 【結果】30秒および40秒程度の持続的運動における実際の運動時間は30.2±1.3秒、38.1±2.1秒であり、そのときの運動強度はそれぞれ222±26%VO2max、184±29%VO2maxであった。また、10-10、15-10における運動時間は、それぞれ53.0±8.4秒、56.1±2.7秒であり、両運動時間に有意な差はなかった。同じ強度における持続的運動と間欠的運動時の代謝特性を比較すると、運動時総酸素摂取量、総酸素借間は、いずれも間欠的運動の方が有意に高かった。一方、運動時の総酸素借から休息時過剰酸素摂取量を引いた間欠的運動時の真の酸素借は、持続的運動時の総酸素借と有意な差は認められず、最大酸素借の75%程度であった。 【結論】30秒および40秒程度で疲労困憊に至る強度を用い、1分程度で疲労困憊に至る2つの間欠的運動時の代謝特性を定量した結果、どちらのプロトコールにおいても、間欠的運動時の総酸素摂取量、最高酸素摂取量は大きかったものの、無酸素性エネルギー供給系への刺激といえる真の酸素借は、持続的運動と差がないことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
28年度は、30秒、および40秒程度で疲労困憊に至る運動強度を用い、10秒運動10秒休息、15秒運動10秒休息のプロトコールにおける間欠的運動における代謝特性を明らかにできた。予想していた結果と若干異なったことから、さらなる検討が必要と思われるが、進展についてはおおむね順調と評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
29年度は、28年度に実施した間欠的運動プロトコールを低酸素環境下で実施し、その際の代謝特性に及ぼす影響を検討する。28年度中に、プレテストとして29年度分の予備実験を低酸素環境下で実施してはみたが、必ずしも仮説通りの結果とはならなかったので、さらなるプロトコールの検討を加え、より効果的であると思われる低酸素環境下でのトレーニングプロトコールを見出す予定である。
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