研究課題/領域番号 |
16K13019
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
奥津 光晴 名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 講師 (80409755)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 運動 / 骨格筋 / 血管新生 |
研究実績の概要 |
初年度の研究で同定した筋収縮や運動トレーニングで変動し、骨格筋の毛細血管密度を調節すると推測されるケモカインに焦点をあて、このケモカインを筋特異的に欠損したマウスの作成と解析を実施した。 筋特異的なケモカインの欠損マウスはCre/loxP発現制御システムを用いて作成した。筋特異的に欠損するためのCreマウスにはMlc1f-Creを使用し、目的とするケモカインのloxPマウスと交配し作成した。作成した遺伝子改変マウスは、CreマウスとloxPマウスともにC57BL/6マウスを使用したため、戻し交配することなく実験に使用することができた。作成した遺伝子改変マウスはPCR法で遺伝子改変の有無を判別した。また解剖後、骨格筋の目的としたケモカインの発現をELISAにて評価し遺伝子改変の有無を正確に評価した。その結果、筋特異的欠損マウスと野生型マウスを正確に評価することができた。 作成した筋特異的欠損マウスと野生型マウスに運動トレーニングを実施し、着目したケモカインの欠損が運動による毛細血管密度の増加に及ぼす影響を評価した。実験は作成した欠損マウスと野生型マウスを使用した。マウスは運動群と安静群に分け、運動群には4週間の自発走行運動を実施させ、安静群は通常飼育した。運動期間終了24時間後、マウスから遅筋優位なヒラメ筋、速筋優位な外側(白色)広筋、速筋と遅筋が混在する足底筋と腓腹筋を採取した。採取した骨格筋は、解析に適した溶液にてホモジネイトし、タンパクやmRNAの発現の検討に使用した。また、足底筋の一部はOCTコンパウンドに包埋し、毛細血管密度を評価するための免疫染色に使用した。現在、これらの検体を解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
筋特異的欠損マウスの遺伝子発現の判別に予想以上の時間を費やしたが作成することに成功した。運動による骨格筋の毛細血管密度の変動の評価に必要な実験手法はすでに習得しているため、解析の実施に支障は生じない。したがっておおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
骨格筋の毛細血管密度を評価し、欠損マウスと野生型マウスに違いが観察された場合は、血流量や筋機能などの評価を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験消耗品の価格変動などにより次年度使用額が生じた。残金は次年度に繰り越し、新たな価格変更への対応などに有効に利用する。
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