研究課題/領域番号 |
16K13025
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 美生 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70769984)
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研究分担者 |
木内 貴弘 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (10260481)
河村 洋子 熊本大学, 政策創造研究教育センター, 准教授 (00568719)
石川 ひろの 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40384846)
岡田 昌史 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (70375492)
奥原 剛 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70770030)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | エンターテイメント・エデュケーション / ヘルスコミュニケーション / ナラティブ・コンテンツ / 健康教育 / 社会医学 / テレビドラマ / ドキュメンタリー / メディア |
研究実績の概要 |
コミュニケーション戦略のひとつに、エンターテイメント性の高いプログラムに教育的・社会的メッセージを織り込む手法(エンターテイメント・エデュケーション;EE)があるが、日本では認知度が低い。本研究では、保健医療課題に関して、既存のメディカルドラマによる視聴者の心理や行動への影響を検証するとともに、保健医療課題をナラティブ・コンテンツで伝えることのできるドラマや映画、漫画などの制作関係者を対象とした教育プログラムを開発する。 今年度は、保健医療課題を取り扱ったプライムタイムテレビドラマの研究状況を文献調査から把握した。米国およびオランダのEE実施団体の代表者にインタビュー調査を実施するとともに、国内のEE関係者との実践者・研究者ネットワーク「メディアと医療をつなぐ会」を構築し、EEを含むメディアを通じてのヘルスコミュニケーションについて多様な観点から討議した。また、ナラティブ・コンテンツのひとつとして、テレビドキュメンタリー番組における保健医療課題の描かれ方について、表象分析を行った。既存のメディカルドラマによる視聴者の外科医に対するイメージへの影響について分析準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
[1]保健医療番組による心理・行動への影響に関する実証研究 メディカルドラマの医師-患者間コミュニケーションシーンが視聴者の、医師像の認知及び医師に対する信頼度にどのような影響を与えるのかを探索するために、海外尺度を用いて、影響を検証している。現在結果の分析中である。テレビドキュメンタリー番組における保健医療課題の描かれ方について、表象分析を行った。また、多様な保健医療課題を主題とするエンターテイメント・エデュケーション実証研究の研究者グループを構築した。 [2]エンターテイメント・エデュケーションのための教育プログラム開発 エンターテイメント・エデュケーションのための教育に資する教材及びカリキュラムの開発・普及のための調査研究を行った。米国およびオランダのメディア制作者対象プログラム実施団体の代表者に半構造化面接調査を行い、日本で開発する際の基礎資料を収集した。また、日本のメディア制作者育成について、医療者及びメディア制作者が集う座談会を通して、関係者にヒアリングを行っている。
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今後の研究の推進方策 |
[1]保健医療番組による心理・行動への影響に関する実証研究 分析している結果をまとめて、論文や学会等で発表する予定である。エンターテイメント・エデュケーション実証研究の研究者グループのネットワークを拡大する。 [2]エンターテイメント・エデュケーションのための教育プログラム開発 取材調査の結果をまとめて、論文や学会等で発表する予定である。また、日本のメディア制作者育成について、座談会などを通して、関係者にヒアリングを引き続き行うとともに、メディカルドラマ脚本家個人への取材調査を行い、育成カリキュラムを開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内の面接調査の一部が行われなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
放送作家および脚本家への面接調査
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