研究課題
本研究の目的は,ソーシャルマーケティングの一方法としての健康ブランディングの方略を用い,人々に対して,生活習慣病予防に果たすライフスタイルの変容,そしてメンタルヘルスをよい状態に保つ行動変容を促すことである。現在,我が国において,国民医療費に占める生活習慣病の割合はきわめて高い割合を占めており,一方,うつ病や不安障害など,いわゆる気分障害を中心とするメンタルヘルス問題は職域,学校,地域,家庭において多くの損失を与えている。そのため,従来から知識伝達型・指示型のポピュレーション・アプローチが行われてきたものの,その効果はきわめて限定的であった。本研究では,人々の態度変容および行動変容に導くように,従来の医療一辺倒からマーケティングにシフトさせ,普及啓発の効果を検証した。平成28年度においては,フォーマティブリサーチおよびブランディングの原則に基づき,ライフスタイル変容に関しては「スモールチェンジ活動」を,一方,メンタルヘルス・プロモーションに関しては「こころのABC活動」と名付けた2つの健康ブランドを立ち上げてキャンペーン活動を開始した。つづく平成29年度には,特に中高年者の態度変容および行動変容に関わる事前調査を綿密に行った上で,健康ブランドの普及・啓発のために材料となるリーフレットや動画を開発した。最終年度となる平成30年度には,地域の保健センターを通じて市職員1,055名を対象にリーフレットを配布し,その後,認識(内容を思い出すことができる),理解(内容を理解できる),受容(推奨内容を受け入れることができる),および行動意図(やってみようと思う)の情報認識過程にそって効果を検証した。以上の研究を通して,健康ブランディングの効果を確認できた。
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http://takenaka-waseda.jp