研究課題/領域番号 |
16K13036
|
研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
鈴木 宏幸 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90531418)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | レジャー・レクリエーション / 認知機能低下抑制 / 囲碁 / 介入研究 |
研究実績の概要 |
2016年4月から現在まで、日本棋院所属のプロ棋士と囲碁インストラクター、心理学、医学を専門とする研究員で相談のうえ、集団実施群(介入群①)と個人実施群(介入群②)に実施する介入プログラムの作成を行った。具体的には、週1回1時間,全12回の囲碁講座を受講することによって入門用の碁盤を用いて対戦が可能となるような内容とし、対象者となる65歳以上、特に70代以降の高齢者や、軽度に認知機能が低下した高齢者でも容易に理解できるよう、難易度を調整した。作成したカリキュラムをもとに、全12回分のオリジナルテキストと1日10分程度で実施可能な宿題の他、個人実施群(介入群②)に用いる囲碁講座の動画 等を作成した。また、個人実施群(介入群②)はタブレットを用いてコンピュータソフトと対戦を行うため、操作が容易かつ初心者を対象としたコンピュータソフトを選定した。囲碁講座の動画はウェブサイト上に公開し視聴するため、個人実施群②の対象者だけが閲覧可能なウェブサイトを作成した。これらの成果物を用い、カリキュラムの内容の適切さや、タブレットの操作性を検討するため、対象者とは別のボランティア数名に対し、集団実施群(介入群①)と個人実施群(介入群②)に実施するプログラムを試み、感想を得た。 実施フィールドとの会場調整,募集方法の調整などを行った。実施フィールドの近隣住民にチラシを配布、地域で発行されている新聞に広告を掲載するなどの方法をとり、参加者の募集を開始した。また、2017年6月に実施予定の事前調査において使用する調査票や、囲碁の能力を評価するオリジナルの囲碁テストを作成するなど、健康調査実施体制を整えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始当初に予定していたフィールドにおける研究の実施が困難となり、別のフィールドで実施できるよう調整を行った。また、難易度が適当かつ認知機能低下抑制プログラムとして妥当な介入プログラムの作成と、個人実施群(介入群②)に用いる動画撮影と編集、囲碁講座の内容評価を行ったうえでのプログラムの修正について、当初の想定よりも時間を要した。これらの理由から、介入を半年程度遅れて開始する状況となった。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、新たなフィールドとの調整が終了し、対象者の募集を開始している。6月中旬に第一回(事前)健康調査を実施、7月から介入を開始する体制もすでに整え、スタッフの確保も行っている。介入終了後のスケジュールとしては、10月に第二回(事後①)健康調査を実施、2018年6月に第三回(事後②)健康調査を実施する予定である。全体のスケジュールは遅れているが、研究自体の進捗は順調といえる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画よりも介入開始が6ヶ月遅れたため、予定していた物品の購入等が後ろ倒しとなり、次年度使用額が生じることとなった。
|
次年度使用額の使用計画 |
当初の計画が後ろ倒しとなったことから、人件費・謝金が当初予定よりも大きくなる可能性が高いが、物品の購入および旅費の見直しによる調整を行う。
|