研究実績の概要 |
本年度はこれまでに検討してきた疾病発症とその関連因子から予測モデルを構築した。 国内の東京近郊で働く男性労働者6449人を対象として、予測因子と高血圧発症との関係を検討しRisk Scoreを算出すために、高血圧の発症有無を被説明変数、予測因子を説明変数としたCoxの比例ハザード回帰分析を実施し、ハザード比(95%信頼区間)およびRisk Scoreを算出した。対象集団を予測モデル構築サンプル(3261人)と構築された予測モデルの妥当性を確認するためのサンプル(3188人)の2つに分けて予測モデルの構築および妥当性の確認を行った。 さらに、国内で人間ドックを受診している人21719人を対象として、予測因子と糖尿病発症との関係を検討しRisk Scoreを算出すために、糖尿病の発症有無を被説明変数、予測因子を説明変数としたCoxの比例ハザード回帰分析を実施し、ハザード比(95%信頼区間)およびRisk Scoreを算出した。対象集団を予測モデル構築サンプル(10858人)と構築された予測モデルの妥当性を確認するためのサンプル(10861人)の2つに分けて予測モデルの構築および妥当性の確認を行った。 全身持久力、年齢、BMI、収縮期血圧、高血圧家族歴、飲酒習慣が高血圧発症に関する予測変数として採用され、高血圧発症予測モデルが作成された(AUC = 0.65 creation cohort, AUC = 0.69 validation cohort)。握力、柔軟性、年齢、BMI、収縮期血圧、喫煙習慣、が2型糖尿病に関連する予測変数として採用され、2型糖尿病予測モデルが作成された(AUC = 0.71 creation cohort, AUC = 0.69 validation cohort)。
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