研究課題/領域番号 |
16K13043
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
友川 幸 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (30551733)
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研究分担者 |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00183731)
渡辺 隆一 信州大学, 教育学部, 特任教授 (10115389)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 生活習慣病 / 学校保健 / 開発途上国 / アジア / システマティック・レビュー |
研究実績の概要 |
本研究では、①日本とアジアの開発途上国の学校での生活習慣病対策の実態と特徴、成功・阻害要因を明らかにすること、また、生活習慣病対策と関係の深い②日本型の教育活動(学校給食、健康診断、栄養教育(食育)、身体活動)に着目し、それらのアジアの開発途上国での実践状況と課題、各国の特徴を明らかにすることを目的とした。さらに、③日本型の教育活動のアジアの開発途上諸国での応用可能性を検討し、その上で、④研究成果の共有による当該分野の研究ネットワークを構築することを目的とした。平成28年は、日本とアジアの開発途上国の学校で行っている生活習慣病対策(肥満、飲酒、喫煙及び口腔保健)のシステマティック・レビューを行った。その結果、肥満については、3111件の論文のうち、レビュー条件に合致した論文が21件であった。また、採択された論文の分析より、学校での肥満予防介入は、運動と食育を組み合わせ、生活習慣の改善を図りつつ行うものが良いこと、また、中学生以下においては家庭との連携も重要であることが示唆された。飲酒、喫煙及び口腔保健に関しては、レビュー条件に合致した論文が、アルコールでは、1021件中10件、飲酒では、2204件中63件、口腔保健では、2795件中84件あり、引き続き選択された論文の分析を進めている。今後、アジアの開発途上国に関しても、同様の方法で進めていく予定である。ラオスの保健省及びスポーツ教育省において、学校での生活習慣病対策の中で、学校給食、健康診断、栄養教育(食育)、身体活動に焦点を絞り、関連する活動を所管している4つの機関を訪問し、関連の活動に関するポリシー、ガイドライン等の資料を入手した。また、各機関が実施している活動の成果や課題および他機関との連携の状況等について聞き取り調査を行った。また、モルディブ、フィリピン研究の予備調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に予定していたアジアの開発途上国における学校での生活習慣病対策に関するシステマティック・レビュー研究が少し遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、初年度に実施を予定していたアジアの開発途上国における学校での生活習慣病対策に関するシステマティック・レビュー研究を進めていく。その際、非常勤の研究員を雇用する等により、研究実施に必要なマンパワーを確保していく。また、初年度に実施したラオスでの現地調査によって得られたデータの分析を進めていく、その際には、ラオスの現地研究者と連携を図りながら進めていく。また、モルディブおよびフィリピンでの現地調査を効率的に進めていくために、当該国の事情に詳しい日本人研究者から情報を得るとともに、ラオス調査で得られた成果や課題を踏まえて、現地の研究者との連携を図りながら、調査を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
28年度に実施を予定していたアジアの開発途上国における学校での生活習慣病対策のレビュー研究が実施できなかったため、研究補助者に支払う予定の謝金分が残った。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は、平成29年度請求額と合わせて、アジアの開発途上国における学校での生活習慣病対策のレビュー研究の実施に伴って必要となる、研究補助者に支払う謝金として使用を予定している。
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