研究課題/領域番号 |
16K13071
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
苅田 知則 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40363189)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 重症心身障害児 / ユーザー体験の拡張 / 直接入力型ユーザーインタフェース / 関節入力型ユーザーインタフェース / 視線入力装置 |
研究実績の概要 |
平成28年度は,重症心身障害(MID)児へのアクションリサーチを中心として,直接入力型ユーザーインタフェース(UI)と間接入力型UIによってMID児のユーザー体験(User Experience、UX)に変化が見られるか,質的・量的側面から検討を行った. 1.直接入力型UI・間接入力型UIを実現する実験端末の作成:視線入力装置と微細筋緊張感知カメラを用いて,直接入力型UI(視線入力)と間接入力型UI(微細運動によるスイッチ入力)の実験端末を作成した. ① 直接入力型UI:視線入力装置によって測定した眼球の動きを,画面上のカーソルの動きに変換する. ② 間接入力型UI:障害児者用スイッチを画面上のカーソルの動きに変換するアダプターを介して制御用システムに接続する. 2.重症心身障害(MID)児を対象としたアクションリサーチ:重症心身障害児等が利用する学校・施設環境に研究協力を依頼し,愛媛県在住のMID児3名を中心に,繰り返しデータの収集を行いながら,信頼性・妥当性の高い測定方法を検討すると共に,予測される反応のモデルの構築を試みた(仮説の生成→臨床的実験→データの確認→仮説の修正→臨床場面での再検討を繰り返すアクションリサーチ).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度の研究計画は全て着手しており,データの収集を開始している.ただ,国内外の学術論文誌等に投稿した論文の審査に時間がかかっており,成果公表が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に実施したアクションリサーチによって得られた知見から,直接入力型UI・間接入力型UIによるMID児のUXの変化について予測モデルを構築・修正する. 愛媛県を中心として研究協力児を募り,実験を行う。検証を行う状況・条件を統制し,短時間での実験実施・測定(1研究協力者20~30分,信頼性確認のため5回測定)を計画している. 得られたデータは統計的処理を加え,仮説「スイッチインタフェースによる間接操作型のAT(間接入力型UI)に比べ,感覚運動による直接操作を代替するAT(直接入力型UI)の方が、MID児のUXを拡張する」について検証を加える.
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