研究課題
胎児環境としての母体の生活習慣と胎児の睡眠形成の関連、胎児の睡眠形成と出生後の睡眠形成との関連を明らかにし、子どもの健全な発達に役立てることが本研究の目的である。本年度、5例の母体胎児のデータを取得した。本研究において取得した症例は合計30例となり、順当にデータ採取を行うことができた。データの内容は、母体の睡眠ほか生活習慣に関する情報(質問票)、唾液、尿の採取によるメラトニン分泌の位相、量、胎動記録装置による胎動データである。母体のメラトニン分泌の位相、量の個人差が大きいことが分かった。母体の生活習慣リズム、ホルモン分泌リズムと胎動の日内変動との関連を現在解析中である。さらに、生後の睡眠覚醒状況を質問票により追跡調査を行っており、胎児期との比較検討を行っていく。一方、胎児睡眠の詳細な評価として 超音波断層法により眼球運動、口唇運動等を観察し、眼球運動期、無眼球運動期の持続時間 眼球運動・口唇連動の頻度、密度、周期性、眼球運動と口唇運動の関連性に関する情報を取得した。眼球運動に関しては、妊娠期間中に有意な変曲点をもって発達していることが判明した。口唇運動に関して解析を行っている。さらに、発達障害のリスク要因である胎児発育不全例においても同様にデータ採取を行っており、正常例との比較において異なる傾向が見られている。今後、出生児のフォローアップの結果を含めた解析を行い、胎児期の影響を明らかにする予定である。
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Journal of Medical Ultrasound
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Scientific reports
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