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2017 年度 実績報告書

有用海洋シアノバクテリアの培養株構築と生合成遺伝子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K13091
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

末永 聖武  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (60273215)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード海洋シアノバクテリア / 培養株化 / 全ゲノム増幅 / 生合成遺伝子 / カナミエナミド / 全合成
研究実績の概要

有用物質の生産能力が高い海洋シアノバクテリアの培養について、検討したが、今のところ培養条件の確立・培養株化は達成できていない。そこで、少量の鋳型遺伝子からの全ゲノム増幅を検討した。
リポペプチドであるカナミエナミドを生産するシアノバクテリアについて、温和な条件でコンタミの原因となる鞘を除去したのち、 ピペット洗浄法によりシアノバクテリアの純度の高いフィラメントを取り出し、ゲノムDNAを抽出した。ついでREPLI-g UltraFast Min i Kitを用いてMultiple Displacement Amplification(MDA)法により全ゲノム増幅を行った。ついで、次世代シークエンサーを用いた網羅的配列解析とバイオインフォマティクス的手法を用いた生合成遺伝子の探索を行った。今のところカナミエナミド生合成遺伝子の特定には至っていないが、別の天然物の生合成に関係している遺伝子の候補が見つかったので、モデル基質を用いた機能解析によりその妥当性を検証している。
一方、カナミエナミドの化学合成を達成した。大環状構造を光延法により構築し、エノールエーテル部分を最終段階で導入した。合成品の腫瘍細胞に対する増殖阻害活性は天然物よりも弱いことが判明し、化学合成の達成によりカナミエナミドの真の生物活性を明らかにすることができた。
さらに、他の数種の海洋シアノバクテリアについてもゲノムDNA抽出法を検討した。その結果、凍結破砕が有効であった。ゲノム抽出を妨害する鞘の化学的除去は効果が限定的であったので、物理的な方法を検討した結果、抽出操作中に遠心操作を複数回組み込むことにより、鞘をペレットとして除去できることを見出した。現在、得られたゲノムDNAの次世代シークエンサーによる網羅的配列解析を進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Total Synthesis of Kanamienamide and Clarification of Biological Activity2017

    • 著者名/発表者名
      Ojima Daisuke、Iwasaki Arihiro、Suenaga Kiyotake
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry

      巻: 82 ページ: 12503~12510

    • DOI

      10.1021/acs.joc.7b02288

    • 査読あり
  • [学会発表] エナミド構造を有する11員環マクロラクトンKanamienamideの合成研究2018

    • 著者名/発表者名
      大輔・岩﨑有紘・末永聖武
    • 学会等名
      日本化学会第98春季年会(日本大学船橋キャンパス)
  • [学会発表] 海洋シアノバクテリア由来新規天然物の構造と生物活性2017

    • 著者名/発表者名
      岩崎有紘、小川英俊、蓼沼隆人、澄本慎平、末永聖武
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会第12回年会(北海道大学)

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公開日: 2018-12-17  

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