動物細胞で有用な蛍光小分子インジケーターの多くは、植物細胞では細胞壁を通らないか、液胞にたまってしまうために細胞内局在制御が困難である。本研究では、セカンドメッセンジャーの代表格であるカルシウムイオンを植物細胞内で可視化するため、小分子カルシウムインジケーターをサイトゾルへ送り届ける化学的戦略として、タンパク質リガンドを導入したリガンド連結カルシウムインジケーターを開発し、これを用いてモデル植物細胞内でのカルシウム動態の可視化に成功した。この成果は、様々な機能性分子を植物細胞内に送り届ける基盤技術として発展が期待される。
|