研究課題
申請者は、これまでのカルシウム・カルモジュリン結合蛋白に関する生化学研究の蓄積に基づき、従来ののCa2+指示遺伝子や化学的なCa2+指示薬のすべてを上回る性能を持つGECI、R-CaMP2の合理的設計に成功した(Nature Methods 2015)。本研究では、これを一層推進し、多色の細胞活動計測を生体深部で実施可能な、新たな生体深部高速多重Ca2+イメージングシステムを樹立する目的で、赤色インディケーターとの同時イメージングが最適化された黄色Ca2+インディケーターの開発を試みた。R-CaMP2との組み合わせによる共計測が最適化される黄色GECIを作出するため、各種カルシウムインディケーター群のカルシウム・カルモジュリン結合配列M13をCaMKK由来のカルシウム・カルモジュリン結合配列に置換した。これにより、新規高感度Ca2+インディケーターを新たなに創出した上で、今度は、cpEGFPの蛍光特性に変異を導入していき、緑色蛍光以外のCa2+インディケーターが作出可能か、条件検討を進めた。その結果、緑・赤と同時イメージングが可能な波長帯での変異体が新たに作成可能なことが証明された。さらに、多くの変異、特に各種リンカー配列や、CaMKK由来のカルシウム・カルモジュリン結合配列自体にも導入し、組み合わせの最適化を試みた。これらのスクリーニングにより、赤色・緑色Ca2+プローブと同時に活用可能な新規黄色Ca2+カルシウムインディケータが導出され、2光子多重プローブ計測システムへ展開できる戦略が新たに開発された。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
J Neurochem.
巻: - ページ: -
doi: 10.1111/jnc.14020.
Nature Methods
巻: 13 ページ: 325-328
doi: 10.1038/nmeth.3770.