脳弓下器官(SFO)において口渇感と塩欲求を制御するニューロンを同定することに成功し、口渇感と塩欲求を制御するニューロンをそれぞれ「水ニューロン」「塩ニューロン」と名付けた。いずれもAng II受容体1a型(AT1a)を発現する興奮性ニューロンであり、塩ニューロンは情動に関係する扁桃体延長部の分界条床核腹側部(vBNST)に軸索を伸ばしていた。さらに、体液[Na+]が上昇する脱水状態では、Naxが活性化し、乳酸を介してSFOのGABAニューロンを活性化し、塩ニューロンを抑制していた。古くから知られる塩欠乏と情動の関係について、解剖学的に裏付ける神経経路の存在が明らかになった。
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