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2018 年度 実績報告書

「フロンティア社会論」再考――北洋漁業における季節労働者の個人史に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 16K13121
研究機関一橋大学

研究代表者

赤嶺 淳  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (90336701)

研究分担者 椙本 歩美  国際教養大学, 国際教養学部, 助教 (90648718)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード南郷アートプロジェクト / 出稼ぎ / 地域史 / 個人史 / 家族史 / 地域おこし
研究実績の概要

研究代表者の赤嶺淳は、これまで十分にあきらかにされてこなかった青森県からの北洋捕鯨ならびに南氷洋捕鯨へ出漁した出稼ぎ者について、地元の新聞や関係自治体に残る史資料を渉猟するかたわら、現在は八戸市と合併している旧南郷村を中心に旧大洋漁業の捕鯨船に乗っていた人びとの個人史の採録をおこなった。また、八戸市が旧南郷村の地域おこしを目的に2018年10月20日から11月11日まで開催した南郷アートプロジェクト「なんごう小さな芸術祭」の一環として、中屋敷法仁氏が脚本・演出した『くじらむら』(10月27日・28日)において、中屋敷氏とトークショーを担当し、当時の時代背景や南氷洋捕鯨の、日本の水産業における位置づけ、昨今の捕鯨問題の展望について解説した。『くじらむら』の観劇者のほとんどが、かつての捕鯨者の関係者であり、かつてを思い出し、涙する人も少なくなかった。この事実は、捕鯨が地域史に根付いていることを示唆しており、あらたな史実の発掘が課題となった。中屋敷氏との議論のなかで、地域史を主題とする演劇が地域おこしの手法として有効であることが確認でき、さらには、日本各地に脈付いている市民劇団活動の存在を知ることとなった。研究成果の還元方法のひとつとして、積極的に協働すべきことと考えている。研究分担者の椙本歩美は英国バッキンガム大学客員研究員として同大学に在籍し、これまで行ってきた秋田県の農村研究について、英国および米国のセミナーや国際学会で口頭発表を行うとともに、英国の農村の労働状況について現地調査を行った。海外での研究を通して、秋田の農村や季節労働者について理解を深めるための新たな視点や概念を学ぶことができ、本研究を深めるうえで有意義な活動を行うことができた。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 近代捕鯨のゆくえ――あらたな鯨食文化の創発2019

    • 著者名/発表者名
      赤嶺淳
    • 雑誌名

      国立民族学博物館調査報告

      巻: 149 ページ: 印刷中

  • [雑誌論文] 瓦解を生きる術――マツタケに学ぶ柔靭さ2018

    • 著者名/発表者名
      赤嶺淳
    • 雑誌名

      食品・食品添加物研究誌FFIジャーナル

      巻: 223 ページ: 259-267

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ふたつの塩くじら2018

    • 著者名/発表者名
      赤嶺淳
    • 雑誌名

      科学

      巻: 12月号 ページ: 1239-1241

  • [雑誌論文] 戦争体験の語り部になる――秋田市「語り部の会」設立者のオーラル・ヒストリー2018

    • 著者名/発表者名
      椙本歩美
    • 雑誌名

      国際教養大学アジア地域研究連携機構研究紀要

      巻: 7 ページ: 73-89

  • [学会発表] Inheriting Sea Cucumber and Shark Fin Foodways in the Age of Environmentalism2018

    • 著者名/発表者名
      Akamine Jun
    • 学会等名
      Sun Yat Sen University Second International Conference on Food and Culture: People, Ecology and Food
    • 国際学会
  • [学会発表] Multiplicities of Japanese Whaling:A Case Study of Baird’s Beaked Whaling and its Foodways2018

    • 著者名/発表者名
      Akamine Jun
    • 学会等名
      New Histories of Pacific Whaling: Cross-Cultural and Environmental Encounters
    • 国際学会
  • [学会発表] 高度経済成長期の食生活の変化を聞き書く――食生活誌学のこころみ2018

    • 著者名/発表者名
      赤嶺淳
    • 学会等名
      第16回日本オーラルヒストリー学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Minke Whale Meat Supply Chain in Contemporary Norway2018

    • 著者名/発表者名
      Akamine Jun
    • 学会等名
      Whaling Activities and Issues in the Contemporary World
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Rural Tourism as a Sustainable Alternative?2018

    • 著者名/発表者名
      Sugimoto Ayumi
    • 学会等名
      Economics and International Studies Autumn Seminar Series, The University of Buckingham
    • 招待講演
  • [学会発表] Succeeding the Farm Family by Creating New Life: Two generations of farm inn owners in Akita2018

    • 著者名/発表者名
      Sugimoto Ayumi
    • 学会等名
      117th Annual Meeting for American Anthropological Association
    • 国際学会
  • [学会発表] Creating Internal Heterotopia: Local Farmers Treading Various Paths to Neoliberal Revitalization2018

    • 著者名/発表者名
      Nancy Rogenberger and Sugimoto Ayumi
    • 学会等名
      117th Annual Meeting for American Anthropological Association
    • 国際学会
  • [図書] 生態資源2018

    • 著者名/発表者名
      山田勇、赤嶺淳、平田昌弘
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      978-4812217030
  • [図書] 森を守るのは誰か2018

    • 著者名/発表者名
      椙本歩美
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      新泉社
    • ISBN
      978-4787718112

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公開日: 2019-12-27  

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