研究課題/領域番号 |
16K13128
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
野口 靖 東京工芸大学, 芸術学部, 教授 (50287869)
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研究分担者 |
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 社会人類学 / 映像人類学 / 文化人類学 / デジタルアーカイブ / ライフヒストリー / 情報システム / ケニア / スラム |
研究実績の概要 |
ナイロビのスラムにおける居住環境調査及びデジタルアーカイブ化としては、2018年8月に、住民Aの住宅の各部屋を360度パノラマカメラで撮影しインタビューも行った。ここでは、主に彼女と死去した父親との関係、父親に対する感情について掘り下げて質問した。その後、2018年3月には住民Aのインタビューを継続した。このインタビューは特に「家族や友人との関係性」に絞って質問した。また、住民Aの長女、次女、妹に家族との関係性について質問することにより、住民Aを取り巻く人間関係を分析した。 なお、前述の質問とは別に「一番幸福だと思った時期」や「最近見た夢」を聞き取ることによって、インタビュー対象者の人生観や深層心理を探る試みを行った。 ・研究成果のメディアアート的アプローチによる視覚化および展示としては、2018年10月に東京工芸大学のギャラリーで「コンパクトライフ・プロジェクト」を展示した。この中で、ナイロビ・スラムの住民Aの生活を記録したドキュメント映像は、2017年に編集したものに2018年8月に撮影した映像を追加し再編集し、25分程度の映像にした。また、ナイロビの映像と対比する形で、秩父の山間部で小屋を建築して生活する青年の生活を追ったドキュメント映像も併置した。映像はプロジェクター投影し、部屋を撮影した360度パノラマ写真は、タッチモニターを使用して、体験者が自由に操作して見ることができるようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
共同研究者の出産に伴い、研究機関を1年延長した。
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今後の研究の推進方策 |
「ナイロビのスラムにおける住環境調査及びデジタルアーカイブ化」およびWebサイト作成の進捗が遅れているので、平成31年度はこれまで収集したデータをデジタルアーカイブとしてWebサイトに集約する作業を進める。「ナイロビのスラム住民のライフストーリー映像作成」では、ケニアと日本の事例が終了したので、スウェーデンの事例を追加し、文化人類学における比較研究や比較文化学的側面を持った映像制作を行う。最終的に平成31年度後半に研究成果を、メディアアート的アアプローチによる視覚化および展示によって積極的に公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者の出産に伴い、研究計画を変更し今年度の研究予定を次年度にする必要があった。よって、2019年度は共同研究者がケニアに滞在して研究を継続し、帰国後に成果をまとめる予定。
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