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2019 年度 実績報告書

性的少数者の政治と多様な諸身体の連帯および共存をめぐる現状分析と理論構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K13134
研究機関東京大学

研究代表者

清水 晶子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40361589)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードジェンダー / セクシュアリティ / フェミニズム / クィア / インターセクショナリティ
研究実績の概要

当該年度は、引き続き「LGBT運動」とセクシュアリティの政治が、一方でオリンピックを前提とする東京都のネオリベラルな開発要請、他方で戸籍に基づく従来の家族制度の変更を強く忌避する道徳的保守層を支持基盤とする政府の方針という二方向の政治とどのように交渉しているのかを分析し、国際研究会での招待講演、国内学会への招待登壇などでその結果を公表した。

同時に、2018年以降に世界各地で観察されるようになったフェミニストやレズビアン女性の一部によるトランスジェンダー女性に対する攻撃の日本におけるあらわれについて考察し、これを今世紀の日本でのジェンダー/セクシュアリティの政治が多様な諸身体をどのように扱ってきた(扱い損ねてきた)のかという文脈に位置付けた発表を国際シンポジウムそのほかで行った。

また、身体の近接性と連帯についての研究を引き続き進め、とりわけ非規範的身体にとっての物理的近接の不可避性とそのリスクが多様に異なる諸身体の共存可能性にどのように関わるのかという点を中心として、この問題設定を上述した日本におけるトランス排除の問題と交錯させて、論考を発表した。
これらの問題設定を踏まえて、フェミニスト/クィアが「今、こことは違う世界」をどのように想像し、そこにどのような問題/可能性が現れるかについてのシンポジウムを年度末に予定していたが、これについてはコロナウィルス感染拡大のため、実施を見合わせざるを得なくなった(本科研費研究の終了後にはなるが、シンポジウム自体は2020年度中に多少の変更を入れた形で実施する予定で、現在調整中である)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] "From Backlash to Online Trans-exclusionism: Response to the lecture by Prof. Peto”2020

    • 著者名/発表者名
      SHIMIZU, Akiko
    • 雑誌名

      Gender and Sexuality: Journal of the Center for Gender Studies

      巻: 15 ページ: 59-67

  • [雑誌論文] 「埋没した棘――現れないかもしれない複数性のクィア ・ポリティクスのために」2020

    • 著者名/発表者名
      清水晶子
    • 雑誌名

      思想

      巻: 1151 ページ: 33-51

  • [学会発表] “‘Imported’ Feminism and ‘Indigenous’ Queerness: From Backlash to Transphobic Feminism in Transnational Japanese Context”2020

    • 著者名/発表者名
      SHIMIZU, Akiko
    • 学会等名
      Berkley Visiting Scholar Lectures series(
    • 招待講演
  • [学会発表] 「多様性の可視化がもたらす意義と課題:クィア ・ポリティクス、商品化、ハイパー・ヴィ ジビリティ」2019

    • 著者名/発表者名
      清水晶子
    • 学会等名
      JSSGS2019
    • 招待講演
  • [学会発表] “From Backlash to ‘LGBT’ Movement and Beyond: The Moral Conservatives and Feminist/Queer Left Politics in Japan”2019

    • 著者名/発表者名
      SHIMIZU, Akiko
    • 学会等名
      ECPG2019
  • [学会発表] “LGBT Diversity and the Queering of Tokyo”2019

    • 著者名/発表者名
      SHIMIZU, Akiko
    • 学会等名
      Inagaki 11 Seminar, University of Melbourne
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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