研究課題
最終年となる2019年度は日本で卵子提供技術を用いて子どもをもつことについての国内調査を行った。調査は直接面接でのインタビューとしたが、一部、テレビ電話形式のインタビューになった。インタビュー協力者は1)海外で卵子提供を伴う体外受精を行って子どもをもった2人、2)海外で自己卵子による体外受精によって子どもをもった1人、3)卵子提供・精子提供を伴う人工授精・体外受精によって生まれた人とその親へのサポートをしている1人、4)海外で卵子提供をして国内で出産した人の数の調査を医療機関に対して行った医師1人、その他にインタビュー協力者が作成した論文、報告書等も収集し、資料とした。インタビューを逐語記録とし、検討した。その結果、海外での卵子提供を伴う体外受精によって子どもをもった人は最初からこの方法を希望したわけではなく、それが最終的かつ可能性が高い手段として選択していた。この二人が、若いころから夫婦と子どもという家族の形成を目指してきたわけではなく、年齢が高くなってから子どもを望む気持ちが生じて、夫婦・カップル間の不妊治療のあとで卵子提供という方法を用いたという共通点があった。一方で、海外での体外受精によって子どもを得たが、卵子提供を選択肢として提示されながらも受けなかった理由を比較してた。また卵子を提供した人の考え方との共通点、相違点を検討した。さらに、この技術で生まれた子どもとその親へのサポートをしている人が、自身はこの技術に卵子提供に消極的な立場であるとしながら、子どもと親のためにサポートに入っているとした。医師の視点からの卵子提供による出産の課題・問題の把握についても、この技術を用いる困難を指摘していた。以上を、昨年までの海外および国内での調査結果と比較検討し、この技術を受け入れている人であっても戸惑いや葛藤があることを具体的に指摘した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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