研究実績の概要 |
研究実績は、主に3分野1)復興とレジリエンス、2)歩くツーリズム、3)伝統知識とサステナブルツーリズム、にわたる。1)復興とレジリエンス:サステナビリティ論の中で、レジリエンスの重要さ、特に災害、貧困などからの復興においてのその重要性を論じるに至った。調査はカンボジア、福島を中心に貧困軽減、復興支援における観光の役割について以下の調査を進めた。カンボジア:シェムリエップ、バッタンバンを中心に調査を進めている。コミュニティエンタープライズ(Soksabike, Kinyei cafe, Phare, Sala Bai)は、それぞれ若者・女性のエンパワメント、リーダーシップ、スキル習得を支援し、それによるツーリズム事業の企画、運営、それを通じてのコミュニティへの社会、経済的貢献という形が構築されつつある。福島:飯舘村、相馬、南相馬、いわきを中心に現地調査を続けている。飯舘村では帰宅準備区域の制限が2017年3月31日をもって解除となった。現在の帰村率は約10%であり、今後の復興支援の継続が必要となる。海岸地域においては東北お遍路など、今後観光事業も進んで行くことが考えられる。(論文:復興とレジリエンス:Kato, K. (2017). Debating sustainability in tourism: A post-disaster perspective, Tourism Planning & Development, Vol. 15(1), pp. 55-67など。 2)歩くツーリズム:「スローツリズム」は、旅行者、現地コミュニティにとって精神的・身体的ウェルネスを推進するものであり、サステナビリティ推進の考えに沿ったものであることを論じた(論文: Kato, K. & Progano, R.N. (2017). Slow (Walking) Tourism & Community: Kumano pilgrimage trail, Tourism Management Perspectives, Vol. 24, pp. 243-251) 3) 伝統知識とサステナブルツーリズム: サステナビリティ理論における環境伝統知識の重要性を論じた。(論文:海女文化から学ぶ環境伝承知「観光文化」235号「持続可能な観光」)
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