研究課題
本研究実績はサステナビリティ論の中で、レジリエンスの重要さ、特に災害、貧困などからの復興においてのその重要性を論じた。調査はインドネシア、福島を中心に貧困軽減、復興支援における観光の役割について調査を進めた。*インドネシア:Green Schoolを中心にSDGsへのコミットメントにもとづく教育方針、地域コミュニティーとの関わりについて調査した。コミュニティエンタープライズとして、若者・女性のエンパワメント、リーダーシップ、スキル習得を支援し、それによるツーリズム事業の企画、運営、それを通じてのコミュニティへの社会、経済的貢献という形が構築されつつある。*福島:飯舘村、相馬、南相馬、いわきを中心に現地調査を行なった。飯舘村では帰宅準備区域の制限が2017年3月31日をもって解除、2018年4月1日には小中学校が再開し、現在の帰村率は約20%である。復興がスムーズに進んだとは言えない一方で、飯舘村、相馬、南相馬、いわきを中心に、歴史的、また被災地としての遺構が残る地域をめぐる「東北お遍路」プロジェクトの推進が進んだ。特に、海岸地域の漁村(相馬市新地町)について、漁業、関連する地域の神事祭事の復興、また飯舘村の神社を中心とする復興事業を、現地での企画と連携しながら進めた。本論の新規性は、ツーリズムを多様な参加による総括的な力として、社会変化をもたらす手だてと考えたことにあり、それはソーシャルアクティビズムと捉えることもでき、そこには参加者の想像・創造力、社会的共感、協力などがカギとなる。本研究では、災害や惨事からの復興を焦点としたが、その復興は短期、長期にわたるものであり、広義には、よりサステナブルな社会の構築であると言える。本研究は、サステナビリティという、きわめて複雑、かつ緊急、深刻な課題に対して、ツーリズムとはどうあるべきかを根本的に問うもので、論文にもそれが反映された。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)
Journal of Sustainable Tourism
巻: 15 ページ: 10-30
10.1080/09669582.2019.1614189.
ieldwork in Religion
巻: 13 ページ: 23-43
10.1558/firn.36137
観光文化
巻: 235 ページ: 23-24
Tourism Planning & Development
巻: 15(1) ページ: 1-2
10.1080/21568316.2017.1366359
In Hall, C.M., Ram, Y., & Shoval, N. (eds). The Routledge International Handbook of Walking, Routledge
巻: Capter 23 ページ: 232-241
In Cheer, J. and Lew, A. (eds). In Cheer, J., & Lew, A. Tourism Resilience and Adaptation to Environmental Change: Definitions and Frameworks.
巻: Chapter 14 ページ: 236-249.