研究課題/領域番号 |
16K13143
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研究機関 | 九州国際大学 |
研究代表者 |
山田 良介 九州国際大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (40380547)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歴史認識 / 「徴用工」問題 / 観光資源 |
研究実績の概要 |
今年度は、「明治日本の産業革命遺産:製鉄・鉄鉱、造船、石炭産業」の構成資産をめぐるストーリーの諸相と軋轢現象を明らかにするために、主に以下の作業をおこなった。①万田坑をはじめとする三池炭鉱関連施設を現地調査するとともに、荒尾・大牟田の行政機関や観光協会等が作成した三池炭鉱関連産業遺産活用に関するパンフレット等をはじめとする関連文献資料の収集・分析をおこなった。②「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の歴史像と密接に関連する韓国国内における「徴用工」問題の扱われ方を調査するために、「聯合ニュース」などのメディア分析をおこなうとともに、ソウル特別市や釜山広域市の関連する歴史博物館の展示内容についての調査をおこなった。③韓国国内における植民地期の日本関連施設の活用状況について仁川広域市や群山市で現地調査をおこなった。 これらの作業によって得られた研究成果の一部は、アジア共生学会主催の「専門家が語るアジア理解講座」(2016年12月)や九州国際大学韓国研究会主催ワークショップ「韓国民主化の30年を考える」(2017年3月)で発表・紹介した。今後は、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の中で歴史像をめぐる軋轢が顕著に生じている長崎県の端島(軍艦島)での現地調査もおこなう予定である。また、韓国国内では「徴用工」問題は関係者による訴訟がおこなわれている現在係争中の問題でもあり、今後この問題がどのようにあつかわれていくのかについても注視していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在の所属機関に赴任したことで業務スタイルが変わり申請時に想定していた研究スケジュールに沿った作業を遂行することが困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの作業により、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産をめぐるストーリーの軋轢現象に関してもっとも象徴的なものは長崎県の端島(「軍艦島」)であることが明らかになった。そのため、今後は同地に関する調査にも力を入れていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在の所属機関に赴任したことで申請時に想定していた研究スケジュールに沿った作業を遂行することが困難となったため、当初の予算額を全て執行することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度おこなうことができなった調査等の作業は次年度に行う予定であり、その際の経費として用いる。
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