研究課題/領域番号 |
16K13155
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 京都文教大学 |
研究代表者 |
手嶋 英貴 京都文教大学, 総合社会学部, 教授 (30388178)
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連携研究者 |
藤井 正人 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50183926)
梶原 三恵子 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00456774)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | シュラウタ / グリヒヤ / ケーララ / マラヤーラム / アグニ / ブラーフマナ / 祭主 |
研究成果の概要 |
(1)現地で2017年に自家印刷された『バウダーヤナ・チャダンガ』を入手し、その中の「アグニホートラ章」をローマ字転写するとともに、日本語訳を作成した。(2)マラヤーラム語によるチャダンガ読解に必要な基礎資料となる「チャダンガ読解用文法・表現マニュアル」および「マラヤーラム語ヴェーダ祭式語彙集」を作成し、連携研究者らと共有した。(3)実際に挙行されたアグニホートラ祭をヴィデオ撮影し、シュラウタスートラおよびチャダンガの記述と比較できるようになった。なお調査期間の最終段階では、リグヴェーダ派師匠家の一つにおいて、学界未知のヴェーダ文献の古写本群(パームリーフ)を発見した。
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自由記述の分野 |
インド宗教文化史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中近世に成立したチャダンガは、古代ヴェーダ文献と現代のヴェーダ祭式とを結ぶ歴史上の「結節点」をなす。本研究を通じてこの文献の実態が初めて明らかになり、古代から中世にかけて生じたヴェーダ祭式(現段階では特にアグニホートラ祭)の変化をたどることが出来るようになった。近年の急速なグローバル化への反動もあり、 現代インドでは自国文化の源と言えるヴェーダ祭式への関心が高まっている。そして当のヴェーダ祭式は、チャダンガという地方語文献によってケーララで幅広く受容されることで断絶の危機を乗り越えてきた。本研究は、その歴史を明らかにし、インド国民のアイデンティティ形成の一端を理解することを助けるものである。
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