平成30年度は、次の諸点について作業を進め、3年間の総括を行った。 1)本研究課題の直接の成果として計画している論集『東欧演歌の地政学』については、筆者自身による序論、および連携研究者である小島亮氏(中部大学教授)、奥彩子氏(共立女子大学准教授)、濱崎友絵氏(信州大学准教授)、新免光比呂氏(国立民族学博物館准教授)、本研究課題と関連した研究を行ってきたクララ・フルヴァティン博士(リュブリアナ大学助手)、阪井葉子氏(故人)、高岡智子氏(龍谷大学講師)、齋藤桂氏(京都市立芸術大学講師)、上畑史氏(日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館)などによる論考が揃い、出版社との打ち合わせを進めた。 2)新たに平成29年2月の国際フォーラムに招聘したイヴァ・ネニッチ博士(ベオグラード芸術大学講師)による論考"Regionalism in Music: Pop-folk in Southeastern European Countries"が寄稿されたので、上記論集に収録すべくその翻訳を進めた。 3)平成31年3月には、ソフィア大学において開催された国際シンポジウム"Pop-culture and Youth in Japan and Bulgaria"において、基調報告を行い、さらに本研究課題に協力を要請しているステラ・ジブコヴァ博士(ソフィア大学講師)と、今後の研究の方向について話しあった。(この国際シンポジウムは平成30年秋に予定されていたものだが、ブルガリア側の都合で年度末に会期を改めて開催されたものである。) 4)本研究課題連携研究者の一人、太田峰夫氏(宮城女子大学准教授)と研究代表者伊東との共訳書、バルトーク著『バルトーク音楽論選』(ちくま学芸文庫、全287頁)が、平成30年6月に、また筆者自身の単著『東欧音楽綺譚』(音楽之友社、全256頁)が同年10月に刊行された。
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