本研究の成果は次の3点である。1)芸術活動は、何がよいかという基準があらかじめ定まっているのではなく、何がよいかを検討しながら何かを生み出すという作業であることが明らかになった。したがって、2)参加する人たちが、自分が生かされるための創造の方法を「創出」しながら、「語りなおし」(自分を支えてきた物語を再編し、新しい自分を肯定的に位置づける新しい物語をつくること)ができれば、創造がエンパワメントへとつながることが示された。3)以上の知見をもとに、創造とエンパワメントが両立するためのファシリテーションやプロジェクト・デザインのモデル化を行った。
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