妙高市文化ホール(公益財団法人妙高文化振興事業団)と共同で、「MYOKO SKOOL -ダンシング・モンスター!越智雄磨セレクションvol.2」と銘打った妙高市民を対象としたダンスワークショップを企画した。 ワークショップの講師として、元スウェーデン王立バレエ団のダンサーであり、振付家・舞踊研究者である児玉北斗氏を招き、妙高市在住の児童たちが参加したダンス・ワークショップを実施するほか、参加者による公開試演を実現した。参加者のダンスの習熟度は多様であったが、自身の名前を手足の動きで表す、舞台美術は床一面にビニールテープで参加者達が作るなど、参加者のかなりの積極的関与によって舞台の主要な構成要素が形成されていることが、参与観察から判明した。また、妙高市文化ホールでは、これまでに同様の企画を異なる指導者を招いて企画・実施してきたが、それぞれ参加者の傾向が異なることも明らかになった。2018年度のワークショップ時には、妙高市でストリートダンスのスクールに通う子供達の参加が多く、今回の児玉氏のワークショップでは、バレエ経験者の参加者が多い傾向が見られた。妙高市という限られた圏域においても、多様なジャンルのダンスの実践者がおり、棲み分けがなされていること3年間継続的に同様の企画を実施する中で明らかになってきた。 また、2017年度に本研究の一環として実施した、日本のパフォーマンス・グループcontact Gonzoによる公演《訓練されていない素人のための振付コンセプト001/002/003》について、ダンスにおける「訓練」と「参加」という時に矛盾する要素について考察した論文を執筆した(査読中)。「反ー訓練」の実践と「素人」の称揚にcontact Gonzo の戦略的な美学が見られることが明らかになり、また参加者に日常的な「身体」についての自省を促す機会となることを明らかにした。
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