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2017 年度 実績報告書

近代日本のタイムカプセル研究:ハーバード大学アーカイブズの成立との関係性を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 16K13176
研究機関独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館

研究代表者

坂口 英伸  独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 研究員 (00646440)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードタイムカプセル / 新聞之新聞社 / ハーバード大学 / 紀元二千六百年 / 文化柱 / 式正次
研究実績の概要

本研究の目的は近代日本におけるタイムカプセルの淵源の探求にある。研究代表者は近代日本におけるタイムカプセル誕生の要因の一つとして、1936(昭和11)年のハーバード大学創立300年記念祭を指摘する。同記念祭に刺激されて建造されたタイムカプセルが「紀元二千六百年文化柱」(長野県茅野市)である。紀元二千六百年に関する紙資料を広範囲に集め、寄贈された約6,000点の資料を蓼科高原に建設した白亜のドーム内に密封し、100年後の西暦2040年に開封することとしたのである。発案者は新聞之新聞社の創業者である式正次。

ハーバード大学創立300年記念祭では、記念行事として、100年前の手紙の開封と、100年後に向けた手紙の封緘が行われた。これらの行事は、いわば「タイムカプセル郵便」で、1836年のハーバード大学創立200年記念祭で密封された手紙類が、100年後の1936年の創立300年記念祭で開封され、今度は逆に100年後の西暦2016年の創立400年記念祭で開封する予定の手紙が、2036年の創立400年記念祭で開封される予定で封緘された。平成29年度にハーバード大学アーカイブズに赴き、1836年に作成された手紙類を包んでいた包装紙を閲覧・撮影した(中身の手紙類の閲覧・撮影は不可であるため)。また、創立300年記念祭の記念品として、日本の大学からハーバード大学に贈られた品々を閲覧・撮影した。なお、2036年の創立400年記念祭で開封予定の手紙類は、開封期限の2036年まで閲覧が禁じられている。

戦後には慶応義塾大学において、1958(昭和33)年の同大学創立100年祭で、ハーバード大学創立記念祭をヒントにしたタイムカプセルが作られている。つまり、ハーバード大学創立記念祭は、戦前と戦後の日本においてタイムカプセル誕生の遠因となったのである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 水先案内人としての文化資源学2018

    • 著者名/発表者名
      坂口英伸
    • 雑誌名

      文化資源

      巻: 16 ページ: -

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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