研究課題
挑戦的萌芽研究
発酵の音響に着目した本研究では、焼酎や泡盛によるさまざまな発酵音響を収録し、アーカイブ化することを目的として、CD付きの記録集を出版した。また、発酵音響による芸術表現を試行するために、「発酵を読む」という展覧会実施し、二人のアーティストによる映像や空間とともに《甕の音なひ》というサウンド・インスタレーションを制作した。このインスタレーションでは、ギャラリーの中央に甕を据えて、その甕のなかに仕込まれた「どぶろく」の発酵の状態を水中マイクによって増幅して、ギャラリー全体に響かせる試みとなった。
作曲
発酵という生命の根源的な活動を「音響」という視点から捉える実践は、ほとんど先例がない。発酵音響を収録することによって、発酵学や生命科学などの研究領域のあらたな視点を提供することができる。また、発酵音響がもつリアリティは、芸術的な表現のもつ豊かな体験に導くことができ、発酵へ関心を呼び起こす可能性もある。