研究課題/領域番号 |
16K13186
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中川 眞 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 特任教授 (40135637)
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研究分担者 |
山田 創平 京都精華大学, 人文学部, 准教授 (30554315)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | LGBT(セクシュアルマイノリティ) / 人権擁護運動 / 正確な歴史の継承 / アーカイブ / アクティヴィスト / 社会包摂型アート |
研究実績の概要 |
本研究は日本における「アートとアクティビズムの関係」について検討するものである。特にそれらの協働がすでにさかんであるアメリカ合衆国の事例と日本の事例を比較検討することにより、アートとアクティビズムの関係を実証的に検討することが本研究の目的である。 欧米ではLGBTの人権擁護運動や差別に対する異議申し立ては常にアーティストとの協働で進んできた。一方、日本ではそのような事例は少ない。この理由はどこにあるのだろうか。本補助金における研究事業として2016年9月にニューヨークを訪れ、調査を実施した。その結果「アーティストと活動家の関係が、お互いにメリットのある、キャリアアップにつながる関係になっていること」といった、日本ではこれまでに語れていない新たな協働の要素を確認することができた。この流れを引き継ぎ、2017年にはアメリカ合衆国サンフランシスコ市で現地調査を実施した。特に今回の調査ではカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)公衆衛生学教室をフィールドワークの拠点とできたことが研究の進展に大きく寄与した。当校では鬼塚直樹UCSF研究員の仲介により、アメリカ合衆国での同性結婚制度制定に多大な影響を及ぼしたとされるスチュワート・ガフニー氏(UCSF研究員)とその配偶者であるジョン・ルイス氏(弁護士)に対してインタビューを実施した。またエイミー・スエヨシ氏(サンフランシスコ州立大学准教授)、リー・カラハン氏(日本文化研究者)に対してもインタビューを実施した。その他、複数の現地NGOを訪問した。 その結果、サンフランシスコ市におけるアートとアクティビズムの関係(特にLGBTに関する)について、以下の要素が確認できた。まず「運動の歴史に関する資料の収集や分類、公開の重要性(アーカイブ)」また「歴史に根差した運動を展開することの重要性(歴史修正主義の拒否)」である。
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