本研究は日本における「アートとアクティビズムの関係」についてアメリカ合衆国の事例との比較を通して検討するものである。2016年にニューヨークにおいて、2017年にサンフランシスコにおいて現地調査を実施した。アーティストと活動家の関係が、お互いにメリットのある、キャリアアップにつながる関係になっていることが明らかとなった。これは日本ではこれまでに語れていない論点であり、新たな協働の要素を確認することとなった。また、運動の歴史に関する資料の収集や分類、公開の重要性(アーカイブ)、ならびに歴史に根差した運動を展開することの重要性(歴史修正主義の拒否)が明らかになった。
|