研究課題/領域番号 |
16K13189
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
和田 伸一郎 立教大学, 社会学部, 准教授 (20454366)
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研究分担者 |
尾鼻 崇 中部大学, 人文学部, 講師 (00516833)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Twitter / テキストマイニング / ソフトウェア・スタディーズ |
研究実績の概要 |
新デジタルメディア時代において、もはや、人は、受動的に情報を受け取るだけでなく、また、能動的に検索して各自が情報収集するだけでもなく、(能動的に)カスタマイズ、パーソナライズした情報経路(何のアプリを使うか、また、誰をフォローするかなどで決定される)から流れてくる情報の(受動的な)取得によって、以前に比べてより強く、意志決定、行動を促される存在になっている。 この観点から、ソーシャル・メディア/スマートフォン利用が普及した後、ソーシャル・メディアを通じて、若者の行動/移動に変化が生じているのではないかという仮説を立てた。この仮説が有効であるなら、それは都市や郊外などにおける動線がいくばくか変化することを意味する。つまり、ソーシャル・デザインを考える上で、ソーシャル・メディアがもたらす社会現象は無視できない要素になる。こうした現象として、ソーシャル・メディアがもたらした若者の消費行動、また「聖地巡礼」と呼ばれる若者の移動をテーマに、Twitterデータを収集し分析を行った。 なお、Twitterデータについては、UserLocal社とライセンス契約を結び、CSV形式にてデータ取得を行った。 また同時に、以下のような理論的な検討を行った。情報のフローは、アプリの設計にどれくらい左右されるのか。それによって情報経路がある程度固定されてしまうと、よほどのことがなければその経路の根本的な再設定は起きないと思われるからである。これについて「ソフトウェア・スタディーズ」という観点から、研究者による論文と、実際にアプリケーションを設計してきたプログラマーの見解を収集し、検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2010年代初頭以降、Instagramの急速な普及により、Twitterでも画像つきツイートが多く見られるようになった。それに伴い、上記の若者の消費行動、移動に関するツイートにも、多くの画像が貼られるようになった。 ツイートのテキストデータは容易に収集でき、また解析もKH Coderのようなツールを使えば、ある程度の見通しを立てうることが分かったが、画像に関しては、現在人工知能(AI)による画像解析技術が開発途中であるため、ツールを使った分析を断念せざるをえなかった。熟慮の末、数名の協力者の協力を得て、目視による画像分析を行うこととなった。 したがって、次の課題としては解析の自動化のためのツールの利用、また、テキストファイル以外の、自動的に解析可能なデータの取得が必要だと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ツイートテキストデータに加え、地理情報データなど複数のデータも活用しつつ、Rなどのテキストマイニングツールやデータ可視化ツールなどを利用することによって、人の移動、行動のより詳細な分析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ提供サービス利用に関して、本研究に適切なサービスであるかどうかを判断する必要があると考えたため、初回半年分のライセンス契約費用は別の予算から支出した。半年利用してみて適切だと判断できたため、契約更新時の半年延長分のみ当該助成金から支出した。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度はデータ提供サービスのライセンス契約費用を、一年分、当該助成金から支出する。
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