研究課題/領域番号 |
16K13200
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
下條 恵子 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (30510713)
|
研究分担者 |
渡邉 智明 九州大学, グリーンアジア国際リーダー教育センター, 助教 (00404088)
内田 諭 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (20589254)
斎藤 新悟 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (40515194)
谷口 説男 九州大学, 基幹教育院, 教授 (70155208)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 異分野融合型研究 / コーパス言語学 / 文学テクストの数理的分析 |
研究実績の概要 |
平成29年度の前年度に引き続き、定期的な研究会の実施、分析対象となる文学作品のデータ整備や分析、学会での口頭発表、論文刊行など、一年を通じて継続的な研究実績を積み上げることができた。実績の詳細は以下の通り:
1)メンバー全員参加の研究会をおよそ隔週のペースで計20回開催し、文学的要素の定量化や数理的分析の手法の検討、関連する研究資料の輪読、文学テクストの量的分析などを行ない、知見を共有した(下條、斎藤、渡邉、内田、谷口)。2) 20世紀のアメリカ文学小説を題材としたコーパスを戦前と戦後に分けて2つ作成しWord2vecを使用して “money”や “life”などリスクマネジメントと関連の深い語彙のコンテクストの変容を分析した。その分析結果を英語コーパス学会で発表し、さらにそれを土台とした論文を執筆し『英語英文学論叢』にて発表した(下條、斎藤、渡邉、内田、谷口)。3) アメリカの1960年代以降の戦争小説3点(Slaughterhouse-Five by Kurt Vonnegut Jr., The Things They Carried by Tim O’Brien, Redeployment by Phil Klay)をとりあげ、間テクスト性や他作品への言及の分布について定量化を行ない、その分布について数理的に分析した(下條、斎藤、渡邉、内田、谷口)。それをもとに日本アメリカ文学会東京支部例会にて研究発表を行なった(下條、斎藤)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定期開催の研究会を通じて、文学作品の数理的分析方法について複数の選択肢を得ることができ、具体的な研究成果を生むためのプロセスを明らかにできたため。また、学会発表を通じて多くの研究者から有益な助言を得ることができ、今後の取り組みについても具体的な手法が見えてきたため。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで同様、定期的な研究会の実施を通じてメンバー各自がそれぞれの研究分野の知見を生かした資料分析や報告を行ない、チーム内で共有していく。具体的には、29年度の研究内容に新たな文学テクストを追加する形でリスクマネジメントをキーワードに物語構造の数理的、文体論的、社会学的な分析を行ない、論文執筆という形で成果報告を行なう予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
29年度予定した出張に関して飛行機の欠航によりキャンセルが発生し、旅費関連の出費が抑制されたため。30年度は英語論文の執筆が控えているため、その英文校閲費などに充てる計画である。
|