研究課題/領域番号 |
16K13202
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
高野 美千代 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (10289811)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 非国教徒詩人 / ベンジャミン・キーチ / プリントカルチャー |
研究実績の概要 |
2018年度は、非国教徒作家ベンジャミン・キーチの作品分析を継続して進めた。キーチは、まだ日本国内では十分に研究されているとは言えない。したがって、国内で認知されるために論考を発表することが第一に不可欠である。これを目標として資料精読を重ね、その成果の一部を論文にまとめて発表した。とは言え、彼の全体像をとらえるにはまだ時間を要することが考えられる。今回発表した論文は、キーチの想像的作品に焦点を絞ったものである。海外研究協力者とのやり取りを通して、同時代の清教徒ジョン・バニヤンによる著作との関係において研究を進めることが非常に意義深いということが判明した。 キーチ以外の著者では、リチャード・バクスターの位置付けを試みたいと考えて文献にあたった。複数の重要な資料を入手することができたので、引き続き精読を行い、論考にまとめて発表する準備を進めている。 その他の小詩人に関する考察にも着手したが、むしろキーチとジョン・バニヤンとの関連を追及することを優先した。当初想定しなかった発見であったため、これを見極めることに専念して、早い段階で成果を公開することを目指した。これについては2019年度も行っていく。 本課題においては、日本国内では十分に考察がなされていない作家群・作品群を研究対象としているため、国際的な研究ネットワークが大変重要となる。2018年度には英国に出張した際にこの分野の権威である研究者と面会し、大変有意義な共同研究・研究交流を行った。また、2019年度にこの2名の研究者を招聘して実施する国際研究集会の打ち合わせを始めた。これを成功させて萌芽研究としての成果を上げたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
様々な資料文献にあたり、国際的な研究交流をすることによって、当初予期していなかった新たな発見があり、研究が進展した。2019年には国際研究集会を開催する。
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今後の研究の推進方策 |
バニヤン、キーチ、バクスターといった非国教徒を代表する著者に加えて、小詩人群の作品精読を行い、王政復古期プリントカルチャーの一端を解明して論考にまとめていく。これまでの段階でまだ形になっていない部分を論文・著書の形にして積極的に公開する。 2019年度には国際研究集会を開催して関連する分野の研究者に参加を呼びかけ、本研究の締めくくりをしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際研究集会を2019年度に実施することになったため、それに必要となる経費を使用しておりません。2019年度には2名の研究者を英国から招へいして本研究課題の締めくくりとなる研究集会を行います。
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