中国における文学制度は「組織化」と「計画性」を特徴とし、人民共和国建国以降、一貫して維持されてきた。1990年代中期以降、その束縛は弛緩してきたと見なされているが、政治の側からの文学作品や作家に対する影響力回復の試みは21世紀の現在においてもなお止むことは無い。一般的に文学奨が公刊後の作品に対する報奨であるのに対し、民間団体ながら中国共産党の指導下にある中国作家協会が2004年以降実施している「重点作品支援制度」は、政治の側が「優れている」と認定した作品に公刊前に報奨を与えるものであり、従来とは異なる方式での創作への関与である。
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