研究課題/領域番号 |
16K13214
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
伊藤 博明 専修大学, 文学部, 教授 (70184679)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | イソップ寓話集 / イソポのハブラス / 伊曽保物語 / 司馬江漢 / 『訓蒙画解集』 |
研究実績の概要 |
ローマ字本『イソポのハブラス』と国字本『伊曽保物語』の底本として考えられてきた、シュタインヘーヴェル版「イソップ寓話集」(ラテン語)に含まれていない7つの寓話の典拠について考究し、それらの中の5つが、1546年にアントウェルペンで刊行されたスペイン語版「イソップ寓話集」(あるいは1551刊行の再版)から採られたことを明らかにし、その成果は『埼玉大学紀要(教養学部)』第53巻第2号(2018年3月)に「スペイン語版「イソップ寓話集」と国字本『伊曽保物語』」として発表した。 前年度に引き続き、ヨーロッパ各地で多数刊行された「イソップ寓話集」について、それらを(1)ヴァッラ、バルバロのラテン語訳系、(2)シュタインヘーヴェル編纂のラテン語系、(3)マルティン・ドープ編纂のラテン語系、(4)ヨハネス・カメラリウスのラテン語系に分類したうえで、各々のグループの特徴について、先行研究を参照しながら調査、考察した。 司馬江漢が参看したと思われる、ヨースト・フォンデルによるオランダ語版「イソップ寓話集」(1671年初版)など、オランダ語版について調査し、標準的な版における寓話と、司馬江漢の詩画軸、および『訓蒙画解集』に収められた寓話について、イメージとテクストの両面から比較検討を行った。また、司馬江漢の詩画軸や『訓蒙画解集』は16・17世紀にヨーロッパで隆盛をきわめたエンブレム・ブックというジャンルに属すものと見なすことが可能であり、海外に紹介する価値のあるものと考えて、その英訳のための準備的な作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ローマ字本『イソポのハブラス』および国字本『伊曽保物語』に含まれていながら、シュタインヘーヴェル版「イソップ寓話集」に見いだされない7つの寓話のうち、5つの出典は判明した。しかし、残る2つの寓話の典拠については、1つはアステーミオ『百話集』第2集、もう1つはオドー・オブ・フェリトン『寓話集』あるいはそのスペイン語版『猫の書』と推定されているが、具体的な考証までには至っていない。司馬江漢の詩画軸および『訓蒙画解集』についての調査と研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ローマ字本『イソポのハブラス』および国字本『伊曽保物語』に含まれた寓話の典拠については、ルネサンス期にヨーロッパ刊行された寓話集を渉猟しながら、引き続き探索する。司馬江漢の詩画軸および『訓蒙画解集』については英訳を完成させる。
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