研究課題/領域番号 |
16K13220
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
壇辻 正剛 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (10188469)
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研究分担者 |
南條 浩輝 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (50388162)
佐藤 博史 天理大学, 国際学部, 教授 (50235389) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | タイ語 / 声調 / 音声分析 / 習得支援 |
研究実績の概要 |
本研究では、日本人学習者(日本語母語話者)のタイ語学習の際に大きな支障となっているタイ語の声調習得の学習支援を目指して、音声・言語情報処理技術を応用したICT支援による声調の自動判定・自動評価システムの開発を目指して研究を推進した。近年、ダイナミックに発展する東南アジア諸国の経済力の影響もあり、また、タイ人観光客へのビザの廃止に伴って、訪日タイ人が著しく増加した状況などを背景に、タイ語学習のニーズは高まっている。しかしながら、タイ語の声調の習得は、日本語を母語とする日本人学習者にとっては習得に著しく困難を感じる学習項目になっている。同様に声調言語である中国語の声調習得以上に困難を感じる学生が多く、大きな支障となっているので、声調習得指導がインタラクティブに可能で、自動化を図ることができる声調習得支援システムの開発は、社会的にも大きな意義があり、応用言語学的にも重要な研究課題でもある。各学習者のニーズに応じたきめ細かい指導を可能にし、タイ語学習の普及に貢献する事を本研究の目的として研究を推進した。研究を推進するための基礎的な段階として、研究推進に必要となるタイ語教育用のテキストをタイ語母語話者に発音してもらい、音声データとして収録、編集を行った。タイ語音声の分析を進めるためにデジタル入力とアナログ入力の両者に対応可能な音声インターフェースの研究を行った。声調の分析・認識の実験を通じて、タイ語声調の自動判定の基礎的な研究を進めた。文献調査では、タイ語の声調習得支援システムの開発に関連して、音声認識や音声情報処理等の関連文献を収集すると共に検討・討議を行った。声調の分析・認識実験を通じて、日本語母語話者の発音の分析と自動評価のアルゴリズムを考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タイ語母語話者の音声データの収録・編集を進めることができ、基礎となる声調の分析・認識実験もすることができたので、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
タイ語母語話者の音声データの収集・編集を充実させるために、今後はより多くのタイ語母語話者の音声データの収集をはかりたい。また、タイ語母語話者だけではなく、日本語母語話者のタイ語学習者の音声データも収録も充実させ、研究の基礎部分の進展をはかりたい。それらの作業を通じて、声調の自動判別の精度の向上をはかる予定である。また、タイ語教育に有用なICT支援教材の開発も進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主たる理由は、当初計画ではタイ国での現地調査を予定していたが、タイにおけるジカウイルス感染症発生や前タイ国王の崩御、テロ発生リスクに関する注意喚起の連絡があり、混乱を回避するために渡航を自粛したために旅費の支出が大幅に減ったことによるものである。
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次年度使用額の使用計画 |
現地でのリスクの軽減を見極めての現地調査の実施、もしくは日本国内でのタイ語母語話者の音声収録の充実を予定している。また、タイ語学州に有用なICT支援教材の開発も予定している。
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