研究課題/領域番号 |
16K13239
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
太田 亨 金沢大学, 国際機構, 教授 (40303317)
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研究分担者 |
佐藤 尚子 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (40251152)
深川 美帆 金沢大学, 国際機構, 准教授 (00583171)
藤田 清士 大阪大学, 工学研究科, 教授 (00283862)
菊池 和徳 大阪大学, 理学研究科, 講師 (40252572)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 理工系専門講義映像教材 / 数学講義 / 「数学講義聴解」ビデオクリップ / YouTubeビデオ / 日韓語字幕 / パイロット調査 |
研究実績の概要 |
平成28年度には,本研究の目的や具体的な研究計画,各自の役割分担について確認するため,「全体打合せ会議」を2016年9月15日(木)に大阪大学(吹田キャンパス)で開催した。 全体会議では以下の4点についてディスカッションを行った。 1)どんな教材を制作するのか、2)どんな学習者を対象とする教材にするのか、3)どのような教科学習内容を扱うのか、4)どのような教科学習内容を扱うのか 全体会議を受けて本年度の研究は,まず太田(2015)*で制作した「数学解法動画素材」から2つの課題(課題1:2次関数の値域の制限に関する問題,課題2:微積分の数学的帰納法に関する問題)を再編集してフォーマット変換を行った後,ビデオクリップ(課題1:三角不等式の適用,課題2:数学的帰納法の枠組み)としてYouTubeへアップする作業を行なった。それと並行して,日本語と韓国語での字幕スクリプト作りを行った。また,これらの作業とは別に,数学講義を担当した研究分担者が映像内容と字幕スクリプトの再チェックを行うとともに,空所補充問題と内容理解に関する問題を作成した。これら一連の研究作業で作成された電子ファイルは全て「共有用Dropbox」に格納した。 最後に,本ビデオ教材の制作過程と有効性をパイロット調査し,2017年度日本語教育学会春季大会(早稲田大学)にポスター発表の応募を行い採択を受けた。平成28年度末から平成29年度当初にかけて,ポスター発表に向けた準備を行なっているところである。 *日韓プログラム予備教育における「日韓共同(協働)教育」を目指す実践的研究,太田亨,科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書,189ページ,2015
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の研究実施計画では,「太田(2015)で制作した「数学解法動画素材」を再編集してフォーマット変換を行った後,画像をYouTubeへアップする。それと並行して,日英語での字幕スクリプト作りを行う。日本語版の字幕スクリプト用の原稿ファイルは単元ごとに語彙リスト作りと漢字リスト作りを行う。また,これらの作業とは別に,数学講義を担当した研究分担者が映像内容と字幕スクリプトの再チェックを行い,内容理解に関する問題を作成する。」となっていた。 この研究実施計画を上述の「研究実績の概要」と照らし合わせてみると,英語字幕や語彙・漢字リスト作成は未着手だった一方,韓国語字幕づけと空所補充問題の作成を行うことができた。また,「実施計画」の段階では,平成30年度に予定されていた学会発表を中間報告的な形ではあるが,平成29年度発表に向けて採択を受け,準備ができつつある。これらの点を考慮すると,本研究の進捗状況を「概ね順調に進展している」と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
まず,2017年5月20日(土)に予定されている,2017年度日本語教育学会春季大会(早稲田大学)にポスター発表へ向けて予稿集原稿とポスター制作に取り組み,本番では「数学講義聴解」ビデオクリップYouTube試作版のデモストレーションも兼ねた発表を行う。 その後は,同様の専門講義聴解ビデオとして,物理授業の単元内容を選定し,平成29年度内に物理担当の研究分担者を中心にビデオ撮影とビデオ素材制作を行う。そして研究組織の中で視聴を行なった上で,ビデオクリップして採用すべき箇所の絞り込みと字幕,空所補充問題,内容理解確認問題等についての検討を行う。 また,「数学講義理解」ビデオクリップに関しては,英語字幕付に向けた作業を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物理に関してのビデオ制作は平成29年度以降とすることを,平成28年度の「全体打ち合わせ会」(大阪大学吹田キャンパス開催)で決定した。そのため,物理ビデオ関係に配分した科研費はまったく使うことなく,次年度(平成29年度)に回すことができた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度からは,物理のビデオクリップ制作へ向けての作業を開始する。「今後の研究の推進方策 等」欄に記したように,年度内にビデオ講義として映像化するにふさわしい単元の選定,講義の準備とビデオ撮影,編集作業を行い,ビデオ素材の視聴後に字幕や空所補充問題,内容理解確認問題についての検討を加えるところまでは平成29年度内に終える予定である。
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