研究課題/領域番号 |
16K13239
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
太田 亨 金沢大学, 国際機構, 教授 (40303317)
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研究分担者 |
佐藤 尚子 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (40251152)
毛利 貴美 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 准教授(任期付) (60623981)
深川 美帆 金沢大学, 国際機構, 准教授 (00583171)
藤田 清士 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00283862)
菊池 和徳 大阪大学, 理学研究科, 講師 (40252572)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 理工系専門講義映像教材 / 数学講義 / 物理講義 / YouTubeビデオ / 中国語字幕 / 英語字幕 |
研究実績の概要 |
2017年5月21日(日)に2017年度日本語教育学会春季大会(早稲田大学)でのポスター発表に臨み,数学講義ビデオクリップのYouTube試作版デモストレーションを兼ねた発表を行った。試作版を早稲田大学,千葉大学,金沢大学で日本語を学ぶ留学生(被験者)に視聴してもらい,視聴後に問題に答えてもらう形で理解度を測定したところ,字幕付きの講義を視聴したほうが字幕無しの場合よりも有意に理解度が上昇することが確認された。理解が困難な表現として,比喩的に使われた「ウラの意味」が「数学的帰納法で証明すべき関数列」であることに気づかない被験者が見られたが,日本語で書かれた数式の読みが理解へとつながる鍵となっていることが判明した。フォローアップ・インタビューからは,「字幕利用による理解促進」,「板書された数式の利用」,「文字情報と音声処理の同時利用」,そして「講義者の身振りなど非言語情報の利用」の4種のストラテジーが取られていることがわかった。今後は,より多くの被験者から得られる情報をビデオに還元することで,教材の質を高めていきたいと考えている。 また同様の専門講義聴解ビデオとして,物理授業の単元内容を選定し,2017年9月13-15日まで大阪大学工学研究科において物理担当の研究分担者(藤田)を中心にビデオ撮影を実施し,その後,YouTubeビデオとして編集作業を行った。 前年度に試行的に公開した「数学講義理解」ビデオクリップに関しては,中国語版字幕をつけるとともに,英語字幕付に向けた訳文と映像との同期点検作業を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
数学講義のYouTubeビデオにつける字幕については,中国語版が完成したが,英語版は最終的な訳語確認と講義との同期確認の作業が終わっていない。 物理講義については,3つの講義内容について映像の撮影が終わりYouTubeビデオに仕上げたが,1講義について内容的に修正が必要なことがわかり,次年度(平成30年度)に撮影し直しをすることととなった。
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今後の研究の推進方策 |
数学講義のYouTubeビデオについては,英語字幕の最終的な確認作業を完了させて本公開へ向けて作業を進める。 物理講義については,「電気と磁気」の撮影を再度行うとともに,英語と韓国語,できれば中国語の字幕付け作業までを行い,YouTubeビデオ公開を試行的に行えるところまでを目指す。 最後に本研究を締めくるるため,金沢大学において発表会も兼ねた総会を行い,3年間の活動内容を研究成果報告書として取りまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
「物理ビデオ3試作版:電気と磁気」を再度撮影を行うための費用が余剰金となり,その分を平成30年度に回した。
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備考 |
「物理ビデオ3試作版:電気と磁気」は平成30年度に再度撮影を行った上で編集し試作版を完成させる予定。
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