研究課題/領域番号 |
16K13246
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
中山 誠一 実践女子大学, 文学部, 教授 (10552763)
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研究分担者 |
古本 裕美 長崎大学, 国際教育リエゾン機構, 准教授 (80536326)
濱田 陽 秋田大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00588832)
山内 博之 実践女子大学, 文学部, 教授 (20252942)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | VA シャドーイング / ビジュアル・シャドーイング / シャドーイング / 漢字の読み方 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本語の聴解力育成のためのVAシャドーイング法を開発することにあった。平成28年度と平成29年度前半の研究成果としては、日本語学習歴が1年程度の大学生を対象とした調査では、VA法は、シャドーイング群と比較して、ビジュアル・シャドーイング法と同等に、漢字の読みの学習に効果を発揮する可能性があることを明らかにした。つまり、漢字の読み方の学習法として、ひらがなを使用した場合と、音声を使用した場合では、学習効果に差がない可能性が判明したといえる(本調査結果は、日本教育心理学会第59回総会にて発表を行った)。そこで、平成29年度後半に、この調査結果が、あらゆるレベルの日本語学習者にあてはまるのかを検証するために、学習方法の違い(VA群、VV群)に加えて、発達段階と学習歴を新たな要因に加えて調査を行うことにした。本調査は、米国ノースカロライナ州シャーロットにあるワデル・ランゲージ・アカデミー(日本語でイマージョン教育を実施している幼・小・中の公立学校)で、平成30年2月から3月にかけて現地で個別に行った。具体的には、教材を学齢期に適応した内容に改め、小学校1年生から中学校2年生を3つの段階(小1・小2の合計33名を「低学年」、小2・小3の合計38名を「中学年」、小4から中2の合計24名を「高学年」)に分けて調査を行った。その結果、高学年のVA群の成績が、全学年の他群と比較して有意に伸長していることが判明した。本調査結果は、平成30年度日本教育心理学会第60回総会にて発表を行う予定である。本研究全体の成果としては、VA法は、日本語学習歴が長い学習者に行うと、VV法と比較して、より漢字の読み方の学習に効果を発揮する可能性があることを明らかにしたといえる。
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